日本で<アメコミ>と呼称されるアメリカのコミックブック業界の2大会社のひとつであるDCコミックスの看板ヒーローのスーパーマンとバットマン(ちなみにもうひとつの会社がマーベル・コミックス)<看板ヒーロー:スパイダーマン/アベンジャーズ>である)が激突する内容のこの作品は、コミックスのファン以外の人が見る場合に、まずスーパーマンの誕生を描いた「マン・オブ・スティール」(2013)をDVDで見てからこの作品を見ることをお勧めします!!じゃないと、けっこう152分にわたって目をシンクロさせながら見る羽目に陥りそうなので、ご忠告しておきます(実は恥ずかしながら前作見てたのに内容忘れてた僕の体験から!)。
惑星クリプトンの崩壊によって地球に来た鋼鉄の男スーパーマンの強大すぎるパワーは、人類の平和を守るためとは言え、クリプトンから襲ってきたゾッド将軍との戦いによって、その凄まじいパワーが地球に甚大な被害をもたらしてしまったのだ。
人類は感謝しなければならないのに、一方ではその神に等しい力に恐れを感じる人々がいた。バットマンもそのひとりだった。生身の人間でありながら、人間としての最高レベルの肉体と頭脳を持ち、大富豪の忘れ形見として大金を注ぎ込んだ最先端の装備を身にまとい、コウモリのコスチュームや武器で闇の世界の中で悪人と戦い恐れられたダーク・ヒーロー。そのバットマンもスーパーマンとゾッド将軍の戦いの中の破壊で、友人や部下を亡くしていたのだ。バットマンは人間最強の男としてスーパーマンと戦う決心をしていた。そんな中、大企業レックスコープの若き社長レックス・ルーサーは、2年前のスーパーマンとゾッド将軍の戦いで墜落した宇宙船や世界に飛散したクリプトンの放射性物質を手に入れようと画策していた。レックスも地球の征服を夢見ていたのだ。
バットマン、スーパーマン、そして間隙を狙うレックスの三つ巴の戦いの火蓋が切って落とされたが・・・・。
勧善懲悪のストーリーではなく、心に闇を抱えたヒーローと悪人との、人間世界で仮の姿の底にある煩悶を描くこの作品は、かなり、見るぼくらにタフな心を要求する内容となっているものの、152分という長さをあまりだれさせないザック・スナイダーの切れのいい演出は評価していいだろう!
CG効果もよくできているのでコミックス・ファンにとっては喜びそうな作品だ。
ぼくのチケット代は、2,000円出したい作品でした。
星印は、3つ差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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