アメリカン・コミックの規格外のヒーロー<デッドプール>が、映画に初登場してきた。『テッド』と同様にお下劣な台詞満載したコミカルな内容に、マスク・ヒーローの典型である超人的能力で暴れまくる異色のヒーローが誕生した。
とにかくタイトル・ロールのスタッフ紹介から、監督はじめスタッフへの罵詈雑言の字幕からはじまるという、ブッ飛んだ遊びの感覚が楽しいのだ!傭兵出身のウェイドは、今はその日くらいのきままな生活を送っていた。
ある日、とあるバーで相性バッチリの元娼婦のヴァネッサと出会い激しい恋に陥る。しかし、その幸福も束の間のウェイドは末期癌という最悪の診断を受けてしまう。そんなウェイドに怪しい組織が癌を治せると近づいてきた。愛するヴァネッサのために万にひとつの可能性に賭けてウェイドは応じてしまう。そこは人間が持つミュータント細胞を活性化させてスーパーパワーを有する肉体に改造する組織であり、同時に改造した人間たちを奴隷として使うことを目的とした研究所で、フランシスというスーパーパワーを持つ者をボスとした悪の巣窟であった。
ウェイドは、癌は治ったものの醜い容貌に変わったスーパーマンになってしまった。もうこの容貌では愛するヴァネッサにも会えない。オレの顔を返せ!フランシスに対して復讐を誓うウェイド。
そんなウェイドにX・メンがスカウトに来るが、世界の平和のためとか関係ない自己中のウェイドは、そんなX・メンのメンバーをも自分の仲間にしてしまって、フランシスに戦いを挑んでいくのだが・・・!
とにかく自己中心に世界は回っていると思っているウェイドの奔放ですぐ図に乗る勝手気ままな行動は、思わず笑ってしまう。さらに加えて全編下ネタ満載の言動と相俟って、こりゃあR指定となるのは無理もないと思う作品なのに、全編ブッ飛んだポップな内容に不思議な魅力を感じる出来になっていると感じるのはボクだけではあるまい!
この映画、最後まで見てください。楽しい映像ありですから・・・。
僕のチケット代は、2,100円出してもいい作品でした。
星印は3つ差し上げたいファンキーな作品でした。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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