近代兵器よりもアナログな旧式戦闘機やウィル・スミスの自力の方が、エイリアンから地球を救った!というある意味バカバカしいけど茶目っけたっぷりのテイストを盛り込んだR・エメリッヒ監督による前作(1996)から20年。またしても、あのお茶目テイストを満載しながらスケール・アップした「インデペンデンス・デイ」のリサージェンス(一度中断されたものの再開)篇が再びR・エメリッヒ監督の演出によって蘇った。
アメリカの独立記念日の日に、強大なエイリアンの襲来により地球壊滅の危機に瀕したが、大統領のリーダーシップの下、天才エンジニアのD・レヴィンソンや空軍大尉S・ヒラーらの献身的働きによって勝利に終わった年から20年後。地球上の各国はひとつにまとまり、エイリアンの技術を基に地球防衛システムを構築していた。
そして2016年7月。エイリアンがアフリカに残した宇宙船から仲間を呼び寄せるSOSの信号が宇宙に発信された。その頃、月面基地では1996年の戦いで孤児になったジェイクが成長して基地のエースパイロットとして勤務していた。SOS発信で再び始動したエイリアンは地球の前線基地である月面基地を最初のターゲットとして襲撃を開始した。ジェイクたち基地の若き戦士は奮闘するものの粉砕されてしまう。エイリアンの戦力は地球軍の創造をはるかに超える進化を遂げてあり、そのまま一気に地球を襲ったエイリアンは重力を思いのままに操り、またもや地球は壊滅の危機に瀕してしまう。
前の戦いで指揮をとった元大統領のホイットモア、天才エンジニアのD・レヴィソンなどのOBたちも参加し、ヒーローだったヒラー大尉の遺児・ディランやホイットモアの娘でジェイクの恋人のパトリシアや、辛くも月面基地から帰還したジェイクなど、世代を超えた地球の人々が結集して壮絶な地球防衛の戦いが始まったが…。
ほとんど全編クライマックスとも言うべき戦闘シーンが、超進化したハリウッドの誇るVFXの特殊撮影技術で撮られたこの作品は、映像・音響の炸裂する画面の連続で疲れてしまうが、合間の茶目っ気たっぷりのサービス・シーンによって辛くも救われる。
ただ内容が支離滅裂なところがありすぎるので、展開を理解するのにアタマを使いすぎてくたびれるという欠点(E・エメリッヒにはよくあるのだが!)のある作品だ。
ぼくのチケット代は、1,900円出してもいいかと思う作品でした。
星印は、2つ半差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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