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BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント

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   2016/09/20

衛藤賢史のシネマ教室

映画ファンには『チャーリーとチョコレート工場』で知られているロアルド・ダール原作の児童文学「オ・ヤサシ巨人BFG」をS・スピルバーグが、超リアルなアニメーションと実写を融合して作った作品だ。7mの巨人には『ブリッジ・オブ・スパイ』に主演したマーク・ライアンスがサイマイカル手法(リアルな演者とCGセットの演者を掛け合わせる手法)で扮しているのも見所のひとつである。
お話しの舞台は、現代のイギリス。2才の時、両親を失った10才の少女ソフィーはロンドンの児童養護施設で暮らしていた。夢想することの好きなソフィーは、友達もできず精神的ひとりぼっち。だけど本を読むことが大好きで、施設の就寝時間後もベッドで懐中電灯を照らし好きな本を読んでいた。夜中の3時あやしい気配を察したソフィーは窓をあけて外を見ると、巨人がたたずんでいるのを発見する。ベッドにあわてて潜り込んだものの、ソフィーは巨人からかどわかされ遠い巨人の国に連れていかれた。その7mもある巨人の名はBFGという老人だった。子供たちに夢の世界を送り届けるBFGは、心やしい巨人だったが自分の存在を知られるのが怖くてソフィーをかどわかしたのだ。勝ち気で聡明なソフィーは、そこでBFGと暮らす。BFGは、まずいおばけキュウリしか食べないし、それから作るソーダ、プップクブーが大好き!だけど、そこに住む9人の巨人たちは人間を丸呑みにする怖~い巨人たちだった。ソフィーの匂いをかぎつけ襲ってくる巨人たち。色んな機転をきかせてにげ回るソフィーとBFGだったが、BFGがチビに見えるほど超デカ巨人たちは、人間世界に行き子供たちを食べはじめる。ソフィーはBFGを説き伏せ、英国女王に助けを求める計画を立てる。そして首尾よく心ひろい女王に変な形で謁見できたソフィーとBFGは、巨人たちを殺さずに絶対脱出できない場所に巨人たちを隔離する案を女王たちと計画するのだった…。
異種への理解、そこから派生する友愛の心から生まれるお互いを認め合う寛容の精神。S・スピルバーグがテーマとした精神が詰め込まれたこの作品は、児童文学だけにシンプルな構造で大人には少し平板に見えるが、親子づれで見るには最適な映画となっている。映画という視覚的メディアが絵本同様、子供たちの情操教育に貢献できるのを実感される、ほのぼのとした作品となっている!
ぼくのチケット代は、2,100円出してもいい作品でした。
星印は3ツ半さしあげます。

5点満点中3.5点 2100円

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