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2012/01/16
今日のゲストは、池見林産工業株式会社 取締役社長 久津輪光一さんでした。
池見林産工業は、1962年大分市坂ノ市に設立された、国産針葉樹(杉・桧)を原材料として内装材(一枚物のムクフローリング、壁板)を生産する特化型メーカーです。国産針葉樹を材料とする様々な製品の専門メーカーとして、内装材以外にも、流通用の「木製パレット」や「ムク桧風呂」なども生産しています。
日本は世界でも有数の森林資源国で、全国土面積の約68%は森林です。
中でも、戦後間もなくから活発に行ってきた「針葉樹の植林、育林」により、日本国中に針葉樹が生育し、伐採期の50年をサイクルとして、現在も植林、育林が続いているため、世界各国の森林資源とは異なり、枯渇しない資源を保有しています。
ところが、この針葉樹は、その板材資源の90%が「死節・くされ節」という、いわゆる「穴」のあいた材料が占めています。
このままでは化粧材としての内装材は作れませんが、池見林産工業では、この「死節・くされ節」の穴を、桧の枝を使って作った特殊な埋木コマを使って再生する技術と能力を保有し、大きな生産力を持っています。
ちなみに、写真の右の丸い部分が、自然の節で、左の色の薄い丸の部分が、埋めた部分です。
さわっても、ほどんど違和感を感じません。
池見林産工業は、この分野のスペシャリストとして、日本中のどこにも負けない生産力と品質を保有しているのです。
また、県産のスギは、東日本大震災の復興にも一役買いました。
東北の断熱材工場が稼働できなくなったために、日本国中から震災の影響で「断熱材」が不足してしまいました。
しかし、東北では仮設住宅の建設が急務となっていました。仮設住宅の夏はエアコンでしのげるものの、冬はコンテナハウスでは寒さに耐えきれない。そこで見直されたのが「九州の杉」です。池見林産工業では、利益を考えずに、通常の半額ほどの値段で、一挙に10t車5台ほどを東北に送ったそうです。
これからは、東北の子ども達の教育環境の整備の為に針葉樹の「学校用フローリング」を全力で供給したいと考えているそうです。
またここ数年、アジアへの進出も果たしていて、県産の杉の外壁材が、カナダのウェスタンレッドシダーの独壇場だった市場に食い込み、次に日本産桧、杉の壁板が出始めました。
韓国では、住居のフローリングは100%床暖房システムです。オンドルといいます。
去年からは、独自の技術で生産した日本向け「床暖房用 桧フローリング(ゆかだん桧舞台)」を、韓国で「HINOKIオンドルフローリング」と名前を変えて売り出したところ、爆発的にヒットしたそうです。
今後の展望として、さらに、国産針葉樹の内装材メーカーとして、大分の地にしっかりと根っこを置き、全国に針葉樹内装材の利用率シェアを拡大していくこと。そして、確かな製品の品質を確保し、誰にも負けない専門メーカーとしてのプライドを持って、日本中に、世界中に、杉、桧製品をお送りしていきたいと、語っていただきました。
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