人気TVドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版の2作目。コロナ禍による映画館の封鎖で、封切りが3カ月遅れての上映となった作品です。ぼくはTVドラマを見てなくて、映画ではじめて見た1作目を楽しかったので、心待ちしていたのだ!
シンガポールの大富豪レイモンド・フウが亡くなった。その遺書には3人の子供でなくて、誰もその存在を知らなかった<隠し子>のミシェルが後継者に指名されていた。その情報を知ったダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)リチャード(小日向文世)らと、10兆円と言われる遺産の分け前にあずかる計画を立てはじめる。コックリちゃん(関水渚)と言われる苛めを受けつづけ、ただコックリとうなずくだけの少女。例によって入念な仕込みをし、コックリちゃんをダー子お得意の洗脳教育をほどこしてシンガポールに乗り込む。相手するのは長年レイモンドの執事を努めている切れ者のトニー(柴田恭兵)。ダー子の仕込みの成果が発揮されトニーはコックリちゃんを<ミシェル>と信じさせるのに成功する。ダー子の目的は、自分がミシェルの母であり出自が卑しい母子となってトニーから後継者として適当でないと思わせ億単位の手切れ金を奪うことにあったのだ。しかしトニーは、何とコックリちゃんを遺言どおり後継者として世間に公表してしまい世界中のセレブを招く大規模な後継者発表パーティーを開くことをダー子に告げる。泡をくったダー子は、作戦の練り直しを考えるが 着々とその日が迫ってくる。おまけにその参加者に天敵の赤星(江口洋介)が入っているではないか!さあ、ダー子・ボクちゃん・リチャードはどうその危機を乗り越えられるのか?例によってラストの巻き戻しによる仕込みの楽しさが満載される展開は、この作品パターンを熟知しているファンにとってのとっておきのオ・タ・ノ・シ・ミとなっており、今回も満足させるだけの内容となっていたのだ。
とにかくこの作品独特のカラッとしたユーモア感覚に加えて、ナイスなシンデレラ物を味付けしていたのは楽しかった!コロナで鬱屈している今、こんな作品はストレス解消にいちばんいいかも。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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