記事 > OBSラジオ > 情熱ライブ!Voice > 衛藤賢史のシネマ教室 > ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY
2020/03/31
「バット・マン」の悪役中最悪のジョーカーの恋人ハーレイ・クインが主役という、いわばスピンオフのスピンオフとも言うべき作品である。とにかく、主役格の女性4人を含め登場人物全員が極ワルという極端な内容が大受けした作品なのだ!
超インテリながらモラルのまったくないハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)はジョーカーと別れIQ抜群の頭脳と凄腕の格闘技を武器にひとりで大暴れしていた。しかしジョーカーと別れたことを知った街のワルたちからハーレイ・クインは狙われることになる。そんなワルの筆頭で街を牛耳るブラック・マスク(ユアン・マクレガー)一味がその最たる者であった。が、そんな事知ったこっちゃないとハーレイ・クインは、ブラック・スワンにもへっちゃらで逆らう毎日。そんなハーレイ・クインを余儀ない事で救ったのは、ブラック・スワンの経営するバーの歌姫ブラック・キャナリー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)。彼女の天性の声はバーのグラスを壊すほどの高音で人気だが実は格闘技の天才でもあったのだ。しかし、ハーレイ・クインをやむなく救ったのを一味に見られ彼女も狙われる。そんな折、スリの天才少女カサンドラがブラック・マスクの大事な宝石をスリ取ったことから話しがもつれはじめた。ブラック・スワンから命を取らない代償に少女を捕らえることを命じられたハーレイ・クインは反対に少女を連れて逃げたのだ。一味全員が血まなこで、ふたりを抹殺しようと襲いかかってきた。だが、親をブラック・スワンに殺された復讐で一味を狙う殺し屋ハンドレスと、街の市警レミー・モントーヤ、ブラック・キャナリーの3人の女性がハーレイ・クインに加勢する羽目になり、女性陣5人とブラック・スワン一味の戦いがはじまるが・・・。
とにかく超ド派手な内容を全編に駆使しながら、キャシー・ヤン監督はユーモア感あるアニメや超人的アクションを折り混ぜてワルたちのてんやわんやの大騒動を軽快に演出していくのだ。女性監督による女性脚本の女性ワル・ヒロインによる超クレイジーなハリウッド映画に、ぼくら男性陣の顔色まっ青の作品となっていたのだ!
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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