前作では大阪を舞台に、利休の幻の茶碗を巡って<骨董コンビ>が、自分たちを騙した骨董界の大物に倍返しするという小気味のいい内容だったが、今回は舞台を京都に移して<骨董コンビ>が謎の美女にふり回されながら、お馴染みの仲間たちと活躍するという内容となっている。
京都に店を持った冴えないが博識で目利きの古物商・小池則夫(中井貴一)の所に、着物姿の涼しげな美女・志乃(広末涼子)が訪ねてきた。志乃の紀夫への依頼とは、家宝である古田織部の幻の茶器が騙し取られたので探して欲しいというものだった。清楚な着物美女に目がくらくらした則夫は、儲けはそっちのけでホイホイと二つ返事で依頼に応じる。そんな則夫のデレデレ態度に、何時の間にか占い師になった娘・伊万里(森川葵)は志乃を疑うが、志乃に目がくらんだ則夫は陶芸の腕がよすぎて贋作もお手の物の佐輔(佐々木蔵之介)と共に探した結果、京都一の古物商(加藤雅也)と骨董界で有名な鑑定家(竜雷太)らの仕業と目星をつける。だがどうも志乃の態度も怪しい?そんなこんなのてんやわんやの状態の中、志乃の真意が分かった則夫と佐輔はテレビを巻き込んだ特大な計画を練る。テレビ中継をする大茶会を開催し、その席に佐輔が作った古田織部の贋作の茶器を入れ古物商と大物鑑定家の正体を暴露するという計画。前回同様、どんな古文書でも贋作できる小料理屋のおやじ(木下ほうか)や、茶器の入れ物の箱作りの達人などの仲間が再び集まり、どんな目利きでも見分けのつかない贋作のプロ集団による壮大なプロジェクトがはじまるのだった・・・。
第一作でおたがいの騙し合戦で知り合った則夫と佐輔が最後に協力して、それぞれの分野の贋作の仲間たちと組んで骨董界のワルたちをこらしめるという内容を、今回さらにスケールアップさせてきた。前作同様、則夫と佐輔の絶妙なキャラ設定が冴える内容であり、脇の個性的キャラも生かされていた。骨董界というなじみのない分野に焦点を当て、騙される方がワルいのだというコミカルな展開を楽しむシリーズとなっていたのだ。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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