ラッセ・ハルストレム監督が演出した「僕のワンダフル・ライフ」(;17)は世界中の犬好きの人々から支持され大ヒットした。これはファンの要望に応えたその続編であり、ゲイル・マンキューソ(TV「モダン・ファミリー」)が監督に抜擢されている。
イーサンが飼っていた犬のベイリーは、他の犬種に生まれ変わりながら心はベイリーのままで最後に愛するイーサンの下に初恋の人ハンナを連れてもどってきた!という物語はまだつづいていた。もう老齢に達したイーサン(デニス・クェイド)と老犬になったベイリーは、農場で仲良く暮らしている。ハンナの孫娘CJと母グロリアそしてハンナの4人での満ち足りた暮らしは、グロリアの反抗で崩れていく。グロリアは華やかな生活をあこがれCJを連れて家を出ていった。嘆き悲しむイーサンとハンナの姿に胸を痛めるベイリーにお迎えの時がおとずれる。イーサンは息を引き取るベイリーを抱き締め「今度はCJを守るために転生してくれ」と頼む。主人に忠実な大型犬アフリカン・ボーアボールに転生したベイリーはグロリアと喧嘩して家を飛び出しNYに向かうCJに出会うがCJはきづかず、再び転生したベイリーはNYでビーグルのミックス犬モリーとなり、首尾よくCJと出会い飼われることになる。臭覚にすぐれたモリーことベイリーはガンや麻薬などの特殊な匂いを探知する才能を示しCJをよろこばせるが、まだ歌手としてのステージに立つ姿を見ないままに、また転生することになってしまう。そして今度はヨークシャー・テリアのマックスとして生まれたベイリーはNYで歌手をめざすCJと再会しまだうだつの上がらないCJに懸命に尽くすのだが・・・。
今回はイーサンではなく、孫娘CJ(子役にアビー・ライダー・フォートソン/成人役キャサリン・プレスコット)を守るために転生し、幸せに導くために奔走するベイリーの姿を描いていく物語となる。前回同様ベイリーが大型犬・小型犬に変身していく様は、犬が大好きな人にとってたまらないチャームに満ちた内容となっているが、物語そのものは前回に比べて少し甘い内容となっている。CJのキャラ作りも出たとこ任せの感じもあり雑な仕上がりではあるが、犬好きの人にとってはそれはどうでもよく、転生する様々な犬種の愛らしい姿と目つきにうるうるする作品となっているのだ!
ぼくのチケット代は、犬好きの人には2200円、ドラマ好きには1900円かな。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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