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引っ越し大名

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   2019/09/03

衛藤賢史のシネマ教室

「君の名は。」同様に映画ファンからの情報でヒットした「超高速!参勤交代」の原作者である土橋章宏が原作・脚本を兼ねた作品。

今回は、5代将軍・綱吉の時代に領地替えを命じられた姫路から日田へと移らされた大名家のテンヤワンヤの大騒動をコミカルに描く物語となっている。姫路松平藩は過去に何回も領地替え(国替え)を命じられ藩の財政は底をついていた。が、ある出来事によって又もや国替えの沙汰が下った。引っ越しには、莫大な費用が必要でしかも今度は減俸処分(15万石から7万石)付きという厳しいものだった。引っ越しの采配をする奉行は家臣一同から憎まれるイヤな役目であり、誰もが引き受けるのを嫌がる役職。そんな役職に強制的に任じられたのは、人と接するのが超苦手で書庫番として一日中書庫にこもり本ばかり読んでいた片桐春之助(星野源)という若侍。前任者はもう亡くなっていたのでノウハウが全く分からず、本の虫の春之助なら知識があるのでは?という頼りない理由。窮した春之助は、前任者の家をたずねるも娘の於蘭(高畑充希)はにべもない返事。下級藩士だった父は難儀な役職に躰を壊し亡くなったのに、身分が低いという事で藩に冷たい扱いを受けたことを於蘭は憎んでいたからだ。しかし、春之助の真摯な態度に打たれた於蘭は亡き父が残した<引っ越し覚え書き>を渡してくれ、その手伝いをしてくれるようになった。親友で剣豪の鷹村源右衛門(高橋一生)や、藩の経理担当の勘定頭(濱田岳)などの味方も現れ、今や精神的に成長した春之助をリーダーとした知力・体力・気力を要する膨大な事業となる!藩を上げての<引っ越し>準備がはじまったが・・・。

大名家の領地替えというのは、殿だけでなく藩全体の家臣その家族などが引っ越すのであり、しかも徒歩での旅を何百何千という人間がする超難儀な出来事であり、その費用は膨大なものになるのを、この作品はハウツウとして教えてくれるのだ。星野源を中心として悲鳴をあげながら<引っ越し>準備に追われる家臣の騒動をコミカルに描いていくのだが、「超高速!参勤交代」シリーズに比べて物語の流れのテンポがまったりとした感じとなっており、少し飽きてしまうのだ。またそれぞれの役柄のキャラ設定もかなり過剰ぎみで笑うよりもシラケてしまうシーンが多いのが気にかかった作品となっていたのだ。
ぼくのチケット代は、1600円ぐらいの作品でした。
星印は、2ッですね。

5点満点中2点 1600円

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