マーベル・コミックのヒーロー、ヒロインたちが一同に会する「アベンジャーズ」シリーズ一員であるキャプテン・マーベルが、どういう経過で参加することになったか?という出来事を描いた作品である。
地球外の惑星のクリー帝国の女性戦士ヴァース=キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)は、クリーのエリート部隊の司令官(ジュード・ロウ)の秘蔵っ子として日夜、彼から激しいトレーニングを受けていた。クリー帝国と敵対する優れた変身能力をもつスクラル人と戦うためだ。しかし、ヴァースは身に覚えのない記憶のフラッシュ・バック現象に悩まされていた。そんな中、スクラル人との戦いでヴァースは地球という惑星のロサンゼルスに落下してしまう。その地球まで人間に変身したスクラル人がヴァースを襲撃してくる。それを目撃した国際平和維持組織SHIELD(シールド)エージェントのニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)から保護される。自分の不明の記憶へのフラッシュ・バック現象が地球の出来事とだんだん分かりはじめたヴァースは、地球人キャプテン・マーベルと名乗りはじめ、フューリーと協力して地球に送り込まれたスクラル人と戦うことにするが、しだいにクリー帝国とスクラル人との敵対する原因や、自分の記憶喪失がなぜ起こったのか判明してくる。自分が真に戦う相手は誰なのか!フューリーと一緒になってその真の敵に立ち向かう決心を固めたキャプテン・マーベルだったが・・・。
地球を救うヒロインであるキャプテン・マーベルとして覚醒するまでを描く前日譚としてのこの作品は、地球に至る前までの前置きの話しがゴチャゴチャしている上に長いので、見るぼくらは内容を理解するのに苦労してしまうのだ。丁寧に描こうとする意図は分かるが、意味深すぎる内容は、かえって見るぼくらを混乱させてしまう。こういった勧善懲悪の娯楽作品は縦糸の筋をすっきりとさせた上、横糸のエピソードをいかに巧みに繋げるかによって勝負するのが鉄則と思うが、それを無視したストーリー構成はいくらCG技術がすぐれていても退屈してしまうのだ!
ぼくのチケット代は、1900円ぐらいかなと思う作品でした。
星印は、2ッ半ぐらいかなと思います。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
©2024 Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.