本年度のゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞にノミネートされた作品であり、レディー・ガガの演技も注目されているハリウッドの王道的内容が満載されているサクセスストーリー物である。この作品は;37年ジャネット・ゲイヤー主演で公開されてから、;54年にはジュディ・ガーランド、そして;78年にはバーブラ・ストライサンドとリメイクされ、今度で4回目となるのだ!
卓越したギター演奏の腕をもつ人気歌手のジャックことジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)は、コンサートの後ふらっと小さなバーに寄った。そのバーでアリー(レディー・ガガ)の歌う<ラ・ヴィ・アン・ローズ>の歌声に聞きほれてしまう。アリーは昼間はウェイトレスのバイトをしながら、夜はライブもするこのバーで趣味として歌っていた。アリーは自分の歌唱力には自信をもっていたが、オーディションで歌唱力は認めるも容姿が劣るという評価で、プロ歌手になるのを諦めていた。そんなアリーに世界的ロックスターのジャックが出色の歌唱力を認めたのだ。ジャックはこの頃、歌手にとって致命的な難聴に悩まされ酒浸りの毎日を送っていた。自分は容姿が悪いのでプロにはなれないと告白するアリーの素直な性格に魅かれたジャックは、アリーを自分のコンサートにゲストとして呼ぶ。ジャックが見込んだだけあって、コンサートの聴衆はアリーの歌唱力を認めてくれた!アリーのジャックへの感謝と尊敬はしだいに恋心に変わり、ジャックもアリーの真摯な気持ちを受けとめ結婚することになる。ジャックによって自分に自信をもったアリーの歌唱力は凄味を出しはじめ、スターへの階段を順調に登りはじめたが、反対にジャックのアルコール依存症はひどくなり失態をくり返すようになった。それでもアリーのジャックへの気持ちにゆらぎはなかったのだが・・・。
アリーとジャックの愛情・葛藤を縦糸に描きながら、レディー・ガガの歌唱力を満載したこのサクセスストーリー物語は、観客を素直に感動させる作品となっていた!「ボヘミアン・ラプソディ」という出色の作品の後に封切られたので、この作品は少しハンデを負った公開となったと思うけど、内容は決して悪くない!エンタティメントの王道をきちんと踏襲した音楽映画として評価できる作品であった。レディー・ガガの演技もチャーミングであったのだ!
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、4ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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