宮坂香帆の人気コミック「10万分の1」を、「植物図鑑」などの作品を手掛けた三木康一郎監督によって映画化されたピュアな内容の作品です。
高校2年生の桜木莉乃(平祐奈)は剣道部のマネージャーをしている快活な子。両親を早く亡くしカフェを経営する祖父(奥田瑛二)とふたり暮らししている。莉乃は剣道部のエースで女子学生の憧れの的である桐谷蓮(白濱亜嵐)に密かな想いを寄せていた。同じ剣道部のマネージャーをする莉乃の親友(優希美青)は、そんな莉乃の煮え切らない態度にヤキモキし、剣道部で漣のライバルであるボーイフレンド(白洲迅)と共に莉乃と漣を結びつける。ふたりのキューピッド役のお陰で、漣も実は莉乃に好意を持っていることが判明し、ピュアな交際をするようになった。充実した毎日を過ごす莉乃と漣。だがある日、突然莉乃は足に異変が起こり立てなくなる。すぐに収まったものの念のため病院で診察を受けた結果、<10万分の1>の確立でしか起こらない難病のALSと診断される。絶望の淵に立たされた莉乃は決断する!迷惑をかけないように漣と別れようと。しかし、漣はそんな莉乃をどんな事があっても絶対見守っていくと決心していた。少しずつ進行する病に怯える莉乃を励まし寄り添う蓮。まだ動ける間にしたい、ふたりだけの小旅行や体育祭の出場などなど。莉乃と漣の深いピュアな心の絆は崩れない。そんなふたりを見守る学友たちのやさしいまなざし。そして…。
純愛と難病!一歩間違えればお涙物のチープな内容となりがちなのを、三木監督はつとめて淡々とやさしい目線で描いていく演出で好感の持てる作品となっていたのです。
ぼくのチケット代は、2000円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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