人気作家・吉田修一の同名小説を映像化したサスペンス作品です。監督は「海猿」などのヒット作品を持つ羽住英一郎が担当しています。
日本にある秘密組織AN通信は、世界各国へ企業が秘密裏に開発するマル秘情報を売りさばいている謎の組織。世界各国にエージェントを送り、開発製品の情報を探らせていた。そのエージェントたちは、心臓にチップが埋められ24時間以内に連絡がなければ自動的にチップが爆発し死ぬようになっていた。そんなエージェントの鷹野(藤原竜也)とペアの田岡(竹内涼真)の今のミッションは石油に代わる<次世代エネルギー>の太陽光発電に関する極秘情報の収集に当たっていたが、中国や韓国のエージェントも血眼で情報を探っており熾烈な競争の真っただ中にいた。ブルガリア・中国・インドなどで、他国のエージェントたちと命を懸けた情報収集戦をする鷹野と田岡だが、胸に埋められたチップの事を知る韓国のエージェントに幾度となく命の危機に襲われる。そして、このような危険なエージェントとなった鷹野たちの悲しく切ない過去がしだいに明らかになる頃、ふたりに最大の危機が訪れるのだが…。
鷹野の過去の話をない混ぜにしながら進むこの作品は、現在進行形での内容のほとんど全ての描写はアクションにつぐアクションの連続となっている。それは同時に必然的にキメの荒い内容となっているのだ。その原因はこの作品の元がWOWOWで放映されたドラマのダイジェスト版に近い内容となっているからだと思う。エンディングでWOWOWのドラマが手短に紹介されて、映画の観客であるぼくらははじめてこの作品がダイジェスト版であるのを知るのだ。つまりWOWOWを見た人にとって話が繋がる内容となっていたのだ!これって!映画でしかこの作品を知らない人にとって卑怯な手段と思う。
ぼくのチケット代は、その意味で1900円となりました。
星印は、2ッ半ぐらいかなと思います。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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