大ヒットシリーズとなった「るろうに剣心」も遂に完結を迎えました。完結編は2部構成となっているが、この作品はその第1弾であり和月伸宏原作の最後のエピソードとなる[人誅編]をベースにしています。
明治政府を悩ませた数々の事件を制圧した緋村剣心(佐藤健)は、神谷薫(武井咲)や相楽左之助(青木崇高)らと神谷道場で平穏に日々を送っていた。しかしその平穏の束の間、何者かが東京の繁華街を相次いで攻撃してきた。今度の敵は剣心個人的に強烈な恨みを持つ上海マフィアの頭領・雪代縁(新田真剣佑)という心の凍った若者だった。雪代縁は、かつて剣心の妻であった巴(有村架純)の弟で、剣心によって斬殺された巴の復讐を果たすため、剣心のみならず剣心が大切に思う仲間たちも殺すため上海マフィアを率いて、憎い剣心や仲間たちの住む東京を攻撃しようと試みる。剣のみならず中国武術を鍛錬した縁は、剣心の過去が生み出した最強最凶の敵として!復讐鬼と化して中国から日本へと帰ってきたのだった。過去を語らない寡黙な剣心だったが、薫や左之助ら仲間の前で[すべて自分のせいでござる]と思い口を開き語りはじめた。幕末期の動乱時代、虚無の心を抱え悶えながら<人斬り剣心>として修羅世界に生きて「巴の婚約者を斬り、その巴と結婚していたこと」そして「自らの手で心から愛していた巴を斬殺したこと」を。しかし、剣心を信じる仲間たちは結集して戦う覚悟をする。剣心は、過去から逃れられない運命を背負いながら、今を生きる大切な仲間たちのために己のすべてをかけて縁に立ち向かうが…。
新田真剣佑の体技が、この作品の白眉となるであろうと思わせる凄味を見せてくれた!それによって一級のエンタテイメントな作品に仕上がったと言っていい、驚くような硬軟合わせた演技を見せてくれ物語を盛り上げた功績は大であった。大友監督のスピーディに展開させる演出とも相俟って、138分という長さもまったく気にならずエンタテイメント作品として高く評価できる仕上がりになっていたのだ。この完結編2部編成の第1弾で実はこの長い物語は完結する構成となっているのです!そして第2弾で、物語は過去に溯り剣心の<十字傷の謎>や<不殺の誓い>という本編では語られなかった幕末期の剣心の体や心の傷への軌跡を描くという、いわば番外編となるという構成なので覚えていて下さい。
ぼくのチケット代は、2500円出してもいい作品でした。
星印は、4つさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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