人気作家・東野圭吾の原作を映画化した2019年の「マスカレード・ホテル」に次ぐシリーズ第2作です。木村拓哉と長澤まさみのコンビが今回もいい味を出した作品となっていました。
都内マンションで発生した猟奇的な殺人事件の犯人が、大晦日に豪華ホテルで開催される<年越しパーティ>通称[マスカレード・ナイト]に現れる!という密告状が届いた。タンゴの練習に夢中の破天荒な刑事・新田浩介(木村拓哉)が、潜入捜査官のリーダーに指名され、またもやホテルのフロント係りとして働く羽目になる。そこには前回の事件で事件解決のため協力してくれた、優秀だがコテコテのホテルマン魂にあふれる山岸尚美(長澤まさみ)が[コンシュルジュ]に出世してホテルのフロントを仕切る地位で、新田の相棒として事件解決に当たるホテル側の代表として待ち構えていた。パーティの出席者は500人、その全員が素顔を仮面で隠しているパーティなので犯人特定が難しい状況の中、ホテルならではの不特定の客が次から次へと現れ、新田と共に潜入した警察官もてんやわんやの状態となる。刻一刻と迫るタイムリミット。増え続ける怪しげな客の監視。そんな状況の中、捜査本部は殺人犯も密告者も仮装パーティに来ることを様々な情報で確認するが、殺人犯と密告者の顔は今だ判明できない。だがホテルマンとして一度でもホテルに宿泊した客の顔は覚えているという尚美の炯眼で、新田はしだいに容疑者を絞りこんでいくが・・・。
ほぼ全編がホテル内という「グランド・ホテル」形式のこの作品は、岡田道尚の脚本の原作を映画的に手際よくまとめた手腕と、鈴木雅之監督のテンポのいい流れによる演出と相まって、主演の木村拓哉と長澤まさみの軽妙な演技によって、娯楽作品としてのトライアングルが成功した最後まで飽かせない楽しい作品となっていたのです!豪華な脇役陣も役柄のキャラをよく理解した演技も、この群像劇をさらにパワーアップさせた重要な一因にもなっていたのです!
ぼくのチケット代は、2400円出してもいい作品でした。
星印は、4ッさしあげたい作品でした。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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