スタイリッシュでありながら過激なアクションで大ヒットした「キングスマン」シリーズの三作目です。今回は1914年に時代が溯り「キングスマン」が誕生した話しになっています。
国家に属さないスパイ組織で、イギリス最高の高級紳士服店の<キングスマン>を本部に置くが故に「キングスマン」を呼称されたのだ。創始者は、イギリス貴族のオックスフォード公爵(レイフ・ファインズ)で、その目的は一次大戦を裏から操る謎の組織を突き止め、アメリカ合衆国のウィルソン大統領をイギリスの味方に引っぱり込む事だった。しかし、息子のコンラッド(ハリス・ディキンソン)は、貴族の息子としての役割を果たすべく兵士として戦争に参加を望んでいた。秘密の組織ゆえコンラッドに打ち明けられずオックスフォード公爵は、ロシアを操る怪僧ラスプーチン(リス・エヴァンス)の排除に同行させ見事に成功させる。だが、コンラッドは将校として凄惨な戦いの中に身を投じてしまう。残ったオックスフォード公爵は、謎の闇組織の真の黒幕を探しながら、姦計にはまり動きを取れないアメリカ大統領を救い、黒幕を追い詰めていくのだが…。
一次大戦の悲惨な兵士の消耗戦の有様を、コンラッドを通して見せるシリアスな描写のシーンは息をのませるが!この作品の観客が期待する軽やかでスタイリッシュなスタイルは影を潜め違和感を覚えてしまうのだ。この作品を楽しみに映画館に駆けつけたファンの荒唐無稽だがスタイリッシュで華麗なアクションを望むファンの期待感に結果的には、水を差すようなシークエンスになっていたのは、僕としてはいただけないと感じてしまったのだ。
ぼくのチケット代は、そう言った意味で1800円ぐらいかなと思う作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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