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ライダーズ・オブ・ジャスティス

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   2022/02/08

衛藤賢史のシネマ教室

日本に例えれば三船敏郎とも言うべき、<北欧の至宝>と称されるマッツ・ミケルソンが主演する一筋縄ではいかぬアクション映画なのです。

アフガニスタンに派兵されたデンマーク軍人マークス(マッツ・ミケルソン)に、列車事故による妻の死という悲報が入る。母と同乗して自分だけ助かった思春期の娘と、やり場のない怒りを抱えるマークスのところへ見知らぬ男が訪ねてくる。オットー(ニコライ・リー)と名乗るこの男は、妻と同じ列車に乗っていて、この事故の背後には<ライダーズ・オブ・ジャスティス>という犯罪組織のテロの可能性が高いと告げる。オットーは確率の研究をする数学者であり、戦いを専門とするマークスはそれを信じて、オットーとその仲間の2人と妻の復讐戦を挑んでいく。軍人を仕事にして、やられたらやり返すのが当たり前の世界に住むマークスと、戦いなど無縁の超変人の3人の数学者仲間たちの、奇妙奇天烈な戦いが始まるのだが・・・。

犯罪組織の争いに巻き込まれて亡くなった妻の復讐をするヒロイックな男の物語と言えば、ハリウッドの単純な二流アクション的映画と想像しがちであるが、おっとどっこい!そんな単純な内容ではないのです。人生の半分を戦いに明けくれ家庭を留守がちで筋肉頭の父と思春期の娘との、仲立ちする妻を失った気まずい微妙な家庭内のチグハグ部類を時には辛らつに時にはユーモラスに描きつつ、その家庭に入り込む羽目に陥った3人の変人数学者(その変人ぶりは映画を見て楽しんでほしい!)が混乱を巻き起こしつつしだいに家庭内の中和剤となっていく様子も、切なくてユーモアを交えながら無理なく描いていくのです。最後にはどんでん返しがあるのですが(これは秘密です。ぜひ見て確かめてください)、とにかく一筋縄ではいかぬ快作となっているお勧めの作品となっています。

ぼくのチケット代は、2400円出してもいい作品でした。

星印は、4ッ半さしあげます。

5点満点中4.5点 2400円

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