荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくる特殊能力を持つ漫画家・岸辺露伴を主演にしたスピンオフ作品です。
人の心を本にして、その人の生い立ちや秘密を読むことができ、さらに相手の心に指示を書き込むこともできる特殊能力<ヘブンズ・ドアー>を備えた岸辺露伴(高橋一生)は、世界的にも超人気の漫画家だ!岸辺露伴は、まだ売れない青年時代(長尾謙杜)に、祖母(白石加代子)の旅館に寄宿して漫画を描いている時、謎めいた美女・奈々瀬(木村文乃)に出会い淡い慕情を抱いた。そして、奈々瀬からこの世で<最も黒い絵>の噂を聞く。その絵は、世界中の絵で最も黒く、見る人の心を壊す最も邪悪な絵と告げると、奈々瀬は岸辺露伴のもとから姿を消した。時は過ぎ、人気漫画家になった岸辺露伴は新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に保管されているという情報を聞き、岸辺露伴担当の雑誌編集者・泉京香(飯豊まりえ)と共に取材と昔の淡い慕情のためにルーヴル美術館を訪れる。しかし、不思議なことに美術館員すら【黒い絵】の存在を知らず、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていない薄暗い地下倉庫だったのだ。そこで、岸辺露伴は京香や美術館員共々、【黒い絵】が引き起こす恐ろしい出来事に遭遇することになる・・・。
シュールな作風で人気のある荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフであるNHK(2020)で放映された『岸辺露伴は動かない』の劇場版であるこの作品は、ジョジョ・ファンなら見逃せない大スクリーンで展開する映画となっているのです。【モナ・リザ】や【サモトラケのニケ】が画面に映し出されるルーヴル美術館風景をバックに展開するので美術ファンにも楽しめます。過去と現代の時空を超えた【黒い絵】の悲惨な因果律が、ラストの分かる仕組みとなっているとだけ言っておきます!
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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