「No Stage No Life!」ステージナビゲーター★飯田裕美です。
8月2日の放送もお聴きくださり、ありがとうございました(^^♪
今回は、ラジオネーム“しのさん”からいただいたご質問、「恋愛ストーリー以外のミュージカル作品」の話題を中心にお届けいたしました。
しのさん、ご質問ありがとうございました。
私のおすすめ作品は「コーラスライン」です。
「コーラスライン」は、ショービジネスの街、ブロードウェイで、舞台にすべてをかける若者たちのオーディションの様子を描いています。
1979年の初演当時、オーディションを描いたミュージカルの出演者を、オーディションで選ぶ――という非常にセンセーショナルな手法でキャスト決定をしていきます。オーディションには、劇団の垣根を超え、宝塚、松竹歌劇団、学生など、多くの方が参加したとのことです。
「コーラスライン」とは、メインキャストとコーラスを隔てる象徴ともなっている線のことなんです。作品においては、オーディションで、選び選ばれる。非常にシビアな世界をこの1本の線が象徴しています。
「コーラスライン」には、一つの伝説的エピソードが存在します。
1985年の日生劇場での公演時、“マイク”という役をやっていた、飯野おさみさんが1幕の途中で怪我をしてしまい、2幕からは急遽、アンサンブル・いわゆるコーラスで出演していた味方隆司さんが、代わってマイク役をやり遂げたというエピソード。
全編を通して、今自分がなぜこの仕事をしているのか、なぜこれを選んだのか、様々な不安や葛藤と戦いながらも、自分の選んだ道を邁進する姿などを、静かに切々と訴えてくる作品ですが、このエピソードは、日々の鍛錬の重要性や、仲間を信じる力など、「コーラスライン」という物語をより現実的なものとするエッセンスとして、今も語り継がれています。
そして、飯野おさみさんも味方隆司さんも、今もなお劇団四季に所属していて、ご活躍が続いているということも嬉しい事実です。
演劇に人生のすべてを捧げた浅利慶太先生が亡くなり、そのお別れの会の時の斉唱に選ばれた歌が、コーラスラインの代表曲である「愛した日々に悔いはない」でした。
その会では、生前の浅利先生の意思を汲んで歌詞に出てくる「すべてを捨てて」を「すべてを捧げ」と変えて歌われたそうです。
何一つの悔いが残らないくらいに、毎日真摯にひたむきに、仕事に人に向き合っていかなくてはと、思いを新たにしてくれる歌です。
お届けした曲
コーラスラインより 「愛した日々に悔いはない」(捧げVer.)
次回の放送は、8月16日(水)10時10分頃です。
ぜひお楽しみに(*^-^*)
ステージナビゲーター★飯田裕美
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