清水カルマの同名小説を、中田秀夫監督が映画化したホラー作品です。
伊原直人(重岡大毅)は、愛する妻・美雪(ファーストサマーウイカ)や息子・春翔と幸せな生活を送っている。ある日、自宅の庭で遊んでいた春翔がトカゲの尾を見つける。直人は冗談のつもりで、「春翔が呪文を唱えて庭に埋めたらトカゲは再生する」と言う。だが、幸せな生活は、美雪と春翔の交通事故で終わりをつげた。奇跡的に回復した春翔は亡き美雪の小指を庭に埋め、直人が教えてくれた呪文を唱える毎日を送っていた。その頃、映像ディレクターをしていた倉沢比呂子(橋本環奈)は、テレビのニュースで美雪の死亡事故を知る。実は比呂子は、直人の会社の同僚であり、直人に淡い慕情を持っていたのだが、その気持ちを美雪に悟られ怪奇な現象に遭い会社を辞めて転職していたのだ。美雪の葬式で直人と再会したのをきっかけに、、またもや比呂子の周囲で次々と怪奇な現象が起きてくる。比呂子は、自分に降りかかるこの怪奇な現象を探るため直人の家を訪ねる。そして、そこで見たものは・・・。
妻子ある直人に淡い慕情を抱いたために、怖ろしい現象に見舞われる比呂子の恐怖を描いていくこの作品は、中田秀夫監督の得意とする、日本的な【怨】の心で見る人々の気持ちをじわじわと真綿で締めつけるような描写でなく、アメリカ映画のような特殊撮影を使用する視覚的怖さを見せる内容となっているのだ。美雪の特殊な家系はあるものの、日本でいう【因果は巡る】と言う精神的怖さでなく、妬心からくる【逆恨み】の話となり、派手な特殊撮影による視覚的怖さも薄れてしまうのだ。
ぼくのチケット代は、1900円出してもいい作品でした。
星印は、2ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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