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沈黙の艦隊

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   2023/10/03

衛藤賢史のシネマ教室

監督の吉野耕平と脚本の高井光のタッグは、30年前のかわぐちかいじの原作を現代風の世界に置き換えて、臨場感あふれる作品に仕上げた!

日本近海の海中で、海上自衛隊のディーゼル潜水艦「ゆうなみ」がアメリカの原子力潜水艦と衝突して沈没し、全員が死亡したという報道が流れ日本中に衝撃が走る。だが、全員が生存しており、衝突事故は日米が極秘裏に建造した高性能の原子力潜水艦[シーバット]に彼らを乗艦させるための偽装工作だった。米艦隊に所属するという名目の[シーバット]。その原潜の艦長に任免されたのが、沈没したはずの潜水艦の海自一の操艦を誇る海江田(大沢たかお)であり、「ゆうなみ」で海江田に鍛えられた部下の全員が[シーバット]の乗組員になっていた。その秘密を知るのは首相・竹下や防衛大臣・曽根崎(夏川結衣)など少数の大臣であった。かつて海江田の副長で、潜水艦「たつなみ」の艦長・深町(玉木宏)は、海江田の操艦を信じていたので衝突事故に疑問を持ち、海自一のソナーマン・南波(ユースケ・サンタマリア)や優秀な副長・速水(水川あさみ)と沈没事件のソナーを詳細に調べ、偽装と断定する。その頃、海江田率いる[シーバット]は、アメリカ第七艦隊の指揮下を離れて深海に消えてしまう。アメリカ政府は、海江田をテロリストと断定して[シーバット]を撃沈する命令を下した。日本政府は、アメリカより先に捕獲するべく深町の「たつなみ」に[シーバット]を追う命令を下す。[シーバット]を改称して、海江田を国家元首とする、独立国家潜水艦「やまと」と宣言した海江田に、アメリカの第七艦隊と、深町の「たつなみ」が迫るが・・・。

かわぐちかいじの全32巻の序章に当たるこの作品は、スケール感たっぷりの内容によって、113分を一気に見せてくれる日米の海中バトルに政治サスペンスが絡み合う大作となっている。吉野耕平監督の緻密な演出によって、最後までスクリーンから目を離せないスケールの大きい日本映画となっていたのだ!ひさしぶりに見ごたえのある作品でした。

ぼくのチケット代は、2400円出してもいい作品でした。

星印は、4ッ半さしあげます。

5点満点中4.5点 2400円

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