ロバート・ロドリゲス監督のシュールな演出が冴えるアンリアル・エンターテイメントな作品です。
公園で一瞬目を離したばかりに、愛する娘が行方不明になってしまった刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)は、心身のバランスを崩してカウンセラーにかかっていたが、正気を保つために現場の職務に復帰する。そんなある日、ロークに銀行強盗の日にち時間を知らせるタレコミが入る。相棒と現場に向かったロークの目の前で不可解な出来事が発生する。犯人(ウィリアム・フィクトナー)は、周囲の人々の心を自在に操りロークを翻弄していく。普通の市民が犯人に操られ次々にロークに敵対していく不可思議な現象【絶対に捕まらない男】の存在に打つ手がないロークは、占いや催眠術を熟知するというダイアナ(アリシー・ブラガ)に協力を求める。ダイアナによれば【絶対に捕まらない男】は、人間の脳をハッキングしながら自在に心を操る事ができる特殊な術を持っているという。さらに【絶対に捕まらない男】が残したロークと娘が写る写真から、娘の行方のカギを握る存在と確信する。そして、ダイアナの協力のもとロークは、現実と見まがう不可思議な『世界』に踏み込んでいくのだが、そこには・・・。
二転三転しながら、さらにはどんでん返しが待つこの作品は、ロバート・ロドリゲス監督のシュールで映像美な演出と、二重三重の物語の枷が嵌められながら進んでいくのだ!見る観客の、流れの予想を何回でも覆す展開に観客の目をしばたたかせながら、ラストになだれ込むシュールな内容は、好き嫌いがハッキリ別れる作品になると思います。ちなみに、ぼくは好き派になる作品でした。
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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