発行部数2500万部の野田サトルの同名人気漫画を映画化した作品です。明治末期の北海道を舞台に、アイヌ埋蔵金争奪戦を描いていきます。
1904年(明治37)、日露戦争の二0三高地激闘で、鬼神のごとき戦いぶりで『不死身の杉元』と言われ、日本陸軍の英雄とされた第一師団の杉元佐一(山崎賢人)は、戦争終結後ある目的のために一攫千金を狙って北海道で砂金採りに明け暮れている。そこで杉元は、あることからアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪ったのは<のっぺら坊>という謎の男で、網走監獄で24人の囚人の体に金塊の場所を知らせる刺青を彫り、脱獄させていた。それらの仲間の一人である“脱獄王”のあだ名を持つ天才脱獄犯の白石(矢本悠馬)と共に、脱獄囚を見つけようとした杉元は、冬眠してない荒ぶるヒグマに襲われたところを、アイヌの少女アシリパ(山田杏奈)に救われる。アシリパは北の大地を知り尽くし巧みなサバイバル技術を熟知しており、さらに金塊を奪った<のっぺら坊>に父親を殺された少女で、仇を討つために杉元についていく。一方、日露戦争で頭に傷を負う北海道に駐屯する第七師団の鶴見篤四郎中尉(玉木宏)も大日本陸軍を統括する野望を持ち、その資金としてアイヌの金塊を見つけようと必死になっている。さらに、戊辰戦争で戦死したといわれる、新選組副長・土方歳三(舘ひろし)も徳川再興の資金としてアイヌ金塊を狙う存在だった。それぞれの思惑を秘めた、北の大地の北海道での二重三重に渦巻くアイヌ金塊の壮絶な争いがはじまる!!思わぬ事から、その渦中に巻き込まれた<不死身>と謳われる杉元と、「父の仇を」と杉元に同行するアシリパの、北の大地での壮大な物語がはじまる・・・。
個性的なキャラを随所に配置するドラマの流れの面白さに乗りながら、スケール大の北海道の自然描写の素晴らしさを大画面で堪能できる、映画ならではの楽しさを満喫させてくれる作品となっているのです。さらにアイヌ風俗を小道具まで丁寧に再現する熱意に敬意を表します!娯楽映画として推奨できる作品となっています。
ぼくのチケット代は、2400円出してもいい作品でした。
星印は、4ッさしあげます。
※アシリパの「リ」は小文字が正式表記です。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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