齊藤勇起のデビュー監督作品であり、オリジナル脚本も担当している、ダークな内容のミステリー作品です。
中学のサッカー部員の正樹が殺され、川に投げ捨てられていた。正樹の同級生でサッカー部員の春・晃・双子の朔と直哉は、正樹を殺した犯人と思われる男の家に押しかけもみあいになり、1人の少年が殺してしまい、家に火を放ち、事件は幕をとじたはずだった・・・。それから22年後、晃(大東駿介)は父と同じ刑事になり町に帰ってくる。春(高良健吾)と朔(石田卓也)は、町に残っていた。春はこの町で建設会社をやりながら、不良少年たちの面倒を見ている。朔はあれ以来引きこもりになった直哉の面倒を見ながら、実家の農業を継いでいる。22年ぶりに出会った晃・春・朔だが、過去の闇がありなかなか馴染めない。それは春が22年前の事件を一身に引き受け、家庭崩壊しながら町に残り、警察のボス(椎名桔平)の保護下に置かれ唯々諸々と、ボスの言いなりに建設会社を経営しながらダークな仕事をしているのも関係があった。この町に赴任した晃は、ボスと春の関係を知って自分が逃げたことを恥ずかしく思う。そんな気まずい思いをする晃に、22年前と同じように殺され川に投げ捨てられた、春が面倒を見る不良少年の事件が発生した。そして、晃・春・朔たちが心に堅く封印した過去の事件の【罪と悪】の扉が再び開きはじめるが・・・。
齊藤勇起監督は、映画を最後まで見せる力量に豊かな才能を感じるが、如何せん脚本の筋立てが粗すぎるのだ。そのため見る観客は、最後まで話の細部の内容が小分かりしないのだ。映画を見せる力量は才能を感じる監督なので、次回作を期待したいと思う。
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
チケット代は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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