フランク・ハーバートの小説を、ドゥニ・ビルヌーブ監督が映画化し、2021年に公開された『デューン 砂の惑星』は、全世界で4億ドルを超す大ヒットを記録し、アカデミー賞で6部門を受賞した作品です。この作品はその続編です。
見渡す限り砂漠に覆われた【砂の惑星デューン】と呼ばれる不毛の大地『惑星アラキス』には、人間の精神を拡張する不可欠な香料(スパイス)が採れる唯一の惑星だった。この【砂の惑星デューン】を制圧すれば全宇宙の覇者となるのだ。全宇宙の惑星を束ねる王の悪意ある企みで、惑星間の有力な貴族のアトレイデス公爵家と、ハルコンネン男爵家とを『惑星アラキス』の覇権を争わせる戦争が勃発した<前回のストーリー>。この戦いで敗れ、一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポール(ティモシー・シャラメ)は、『惑星アラキス』土着の砂漠の民<フレメン>の助力を借りて反撃しようと考える。独自の文化・宗教・風習を誇示する<フレメン>は、他の種族を容易に受け入れない。だが、漠然とした予知能力のあるポールは【運命の女神】と予言された、フレメンの女性戦士チャニ(ゼンデイア)と心を通わせながら、チャニの協力でこの部族の民に必須の、他部族では不可能と思われた巨大砂虫(サンドワーム)を乗りこなして、フレメンの戦士から信頼され、【救世主】としてフレメンの民を率いてハルコンネン家に反撃していく。しかし、宿敵ハルコンネン男爵の位を継いだ邪悪なフェイド=ラウサ(オースティン・バトラー)が現れ・・・。
前編・後編併せて300分を超える長尺の作品であるが、ドゥニ・ビルヌーブ監督はフランク・ハーバート原作のこのSF小説の映像化を見事に成功させたと思う。視覚による『惑星デューンの砂の惑星』の息をのむ描写の圧倒的なスケールの映像美に酔わされながら、原作の重要なテーマである「政治・宗教」にピタリと的を絞る演出の腕の冴えは、映画ファンを満足させる作品に仕上げてくれたのだ!!多分ラストシーンから判断して、3作目を撮ると思う予定と思うが、楽しみにして待ちたい!
ぼくのチケット代は、2400円出してもいい作品でした。
星印は、4ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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