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四月になれば彼女は

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   2024/03/26

衛藤賢史のシネマ教室

川村元気の同名小説を、ミュージックビデオの演出で人気のある山田智和監督が演出するデビュー作品です。

精神科医師の藤代俊(佐藤健)のもとに、伊予田春(森七菜)から手紙が届く。春は俊の大学時代の写真部の後輩であり、かつての恋人である。手紙と共に、ボリビアのウユニ塩湖で撮った写真が入っている。手紙には10年前の初恋の記憶がつづられている。俊はぎこちなかった大学時代の恋の思い出を懐かしく回顧する。俊は、今の恋人で獣医師の坂本弥生(長澤まさみ)との結婚の準備をしている。春からはそののちも、プラハやアイスランドなどの世界各地の写真とともに、俊と過ごした大学時代の思い出をつづる手紙が届く。その場所は、俊と春が大学時代に旅行するのを約束した世界だった。恋には臆病で、弥生にも胸の内をさらけ出すことのできない俊には、かつての春と同じ態度を弥生にもとり続けていたのだ。そんな俊に弥生は『愛を終わらせない方法、それは何でしょう』と謎かける。四月一日生まれの弥生の誕生日を祝った翌朝、弥生は俊の前からその言葉を残したまま姿を消してしまう。弥生はなぜ俊の前から姿を消したのか?そして、春はなぜ今になって俊に手紙を送ってきたのか?ふたつの謎はやがてつながるとも知らぬままに俊は・・・。

流れるような流麗なタッチで演出していく山田智和監督のこの作品は、春と弥生との出会いと別離を、俊の目を通して交互に描いていく。三者三様の恋に疎い恋愛模様のぎこちない哀しみを、美しい自然を織り交ぜ展開していく。しかし、表面的な描写にこだわりすぎた余り、俊・弥生・春のキャラクター設定が甘くなったのは否めないのが残念な作品となっているのです。

ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。

星印は、3ッさしあげます。

5点満点中3点 2100円

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