『孤狼の血』で人気作家となった柚月裕子の同名小説を、『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利監督が、杉咲花主演で描くサスペンスミステリーの作品です。
執拗なストーカー被害を受けていた愛知県平井市の女子大学生が、ストーカーしていた神社の息子に殺される事件が起きた。女子大学生からの被害届を先延ばしにした警察が、その間に慰安旅行していた事が地元新聞のスクープ記事で明らかになる。県警広報の事務職員の森口泉(杉咲花)は、親友の記者の津村千佳(森田想)と食事したときに自分がもらした言葉を記事にしたと疑う。怒った千佳は、身の潔白を証明しようとしてストーカー事件を独自に調べようとしたが、一週間後に変死体で発見される。後悔の念に突き動かされた泉は、捜査権も無い職員の身で千佳を殺した犯人を自分の手で捕まえることを誓う。泉の上司である広報課長・富樫(安田顕)は元・公安<サクラ>で、泉の頑固な気質を愛しさまざまな助言を与える。熱血漢の県警1課長・梶山(豊原功補)は、泉の暴走を煙たがりながら渋々協力してくれる。心優しい警察官(萩原利久)の協力を受けて、千佳を殺した犯人捜しをする泉の前に、かつて大事件を起こしたカルト宗教団体が絡んでいることが判明するが・・・。
笑顔ひとつも見せない、セリフも少ない県警職員の泉を演じる杉咲花の演技は迫真のある演技力を発揮しています。安田顕演じる富樫の胸の内を図り切れない<サクラ>が最後の最後に見せる、アッと言わせる公安警察官の闇の影が、見る人を驚愕させるのです。ストーリー構成は、セリフによる説明が多すぎて少し分かりにくいシーンがあるのが欠点だと思う作品でした!!
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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