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ブルーピリオド

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   2024/08/13

衛藤賢史のシネマ教室

「マンガ大賞2020」を受賞した山口つばさの原作を、萩原健太郎監督が実写映画化した作品です。

東京に住む高校2年生の矢口八虎(眞栄田郷敦)は、学業成績優秀な生徒だが、周りの友達との空気を読んで流れに任せた不良っぽい怠惰な毎日を送っていた。ある日、美術部の教室で3年生の森まる(桜田ひより)が描いていたブルーを基調にした<祈り>をテーマにした作品を見て、将来の夢も希望も無い八虎は大きな衝撃を受ける。美術の時間に興味もなかった八虎は、やさしい美術教師(薬師丸ひろ子)から授業で「私の好きな風景」の課題を出され夜遊びの末に見た【明け方の青い渋谷】を自分が感じたままに描く。絵を通して本当の自分をさらけ出せるような気がした八虎はまたたく間に美術に興味を抱くようになり、国内最難関の東京藝術大学への受験を決意する。友達の一人で、自分の個性を大事にし、自身も日本画を希望する女性的な容姿の鮎川龍二ことユカちゃん(高橋文哉)の協力で、夏休みの受験のための絵画講習会に両親に黙って参加した八虎は、そこに集まる個性豊かな講習生に圧倒される。その中でも群を抜く天才的な技術を持つがコミュニケーションが苦手な高橋世田介(板垣李光人)の絵画力のすごさに、東京藝術大学受験のむつかしさを思い知る。負けじ魂に火のつく八虎は、人よりも何百倍も絵を描きつづける血の出るような努力を重ねていく決意を固める。一年は瞬く間に過ぎ、八虎の東京藝術大学の一次試験が始まった。八虎の将来を考え藝大への受験を反対していた母(石田ひかり)や父も、八虎の壮絶な努力を認め心からの祈りを込めて入試試験に送り出すが・・・。

美術に興味も関心もなかった八虎の、日本最難関の東京藝術大学の受験までを描いていくこの作品は、一人の少年が真摯な態度で夢への階段を登ろうと羽ばたいていく姿と、大人たちの夢への理解、多様な人間の性癖へのやさしい眼差しをそそぐ内容となっているのです。

ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。

星印は、3ッ半さしあげます。

5点満点中3.5点 2300円

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