記事 > OBSラジオ > アニマジン > #animazine アニメ『小市民シリーズ』小畑貴裕さんに聞く劇伴の世界/アニマジン 2024年8月25日放送
2024/08/25
大分放送 OBSラジオで放送中の『アニマジン』。4週目のコーナーは『さてつのアニリポ』。今回は作曲家、小畑貴裕さんをスタジオにお招きして、現在放送中のTVアニメ『小市民シリーズ』を中心に劇伴、劇伴作曲家の世界についてお聞きしました。
――最新作TVアニメ『小市民シリーズ』の劇伴の使い方が特徴的でした
1話からびっくりって感じですよね。曲がほとんど流れない。これは監督から最初に今回の作品は曲をそんなに流さないと聞いていました。他にも映像がシネスコサイズにすることや、邦画のような感じにやりたいというプランは聞いていました。
作曲を受注したとき、曲のメニュー表を見ると明らかに曲数が少なすぎてどうしようと思いました。曲が少ない分、ここぞという場面で曲が流れるようになっています。
――制作のなかで劇伴の制作はどの段階で行われるのですか
アニメの場合、音楽の制作と映像の制作は同時に進んでいきます。だから作画の方が頑張っている間に音楽も一生懸命書いているという感じなので、お互いがどんな状態か見えない状況です。ちなみに映画の場合は先に映像が出来上がっていて、映像に曲をあてていくフィルムスコアという形式をとります。
――劇伴を作るとき、作品の読み込みはどの程度行うのですか
『小市民シリーズ』の場合、原作全部とアニメのシナリオも読みました。キャラクターデザインも必ず見るようにしています。画のタッチとか、かわいい方向だったり、シルエットはちゃんとしているとかを見て音のさじ加減を変えたりしています。
今回は作曲をオーダーされる曲数が少なかったので、作品の印象を決め込んでやりすぎると合わなかった時にどうしようというプレッシャーがありました。逆に曲数が多いとスケジュールに間に合うかなというプレッシャーがあります。
――演奏家として一番印象に残っているステージ
2023年にカナダで演奏する機会がありました。現地で演奏した時に、僕らがロックスターになったくらいに会場が盛り上がっていたのが印象に残っています。
Spotifyなどの音楽配信サービスで担当した作品の再生数を見ると、TVアニメ『約束のネバーランド』の再生数が他の作品に比べて全然違うんですよ。よく見たら海外の人がよく来てくれてることが分かりました。カナダでの会場の盛り上がりは、海外でも曲を聞いてくれていることを実感した出来事でした。
――師匠・林ゆうきさんとの出会い
東京に出る前に自分の好きな作曲家にデモテープを送ったんです。東京には何もつてがなく、仕事も何も決まってなかったから、ホテルのラウンジでピアノを弾く仕事があればなあ位の感じでした。でもサントラやりたいしできたらと思ってデモテープを送りました。その中に林ゆうきさんも入っていました。そうしたら林さんから返事をいただいてアドバイスをもらいました。その後半年くらい経ったときに、林さんから「小畑くん手伝ってもらっていい?」とお誘いがあり、それから仕事につながっていきました。
9⽉21⽇(⼟)、22⽇(⽇)開催『京都国際アニメ・マンガフェア(京まふ)』の前夜祭としてTVアニメ『⼩市⺠シリーズ』の世界をまるっと楽しめる、作品初の⾳楽を主体としたスペシャルイベントに⼩畑貴裕さんが出演します。
9⽉22⽇(⽇)京都劇場で開催、劇伴作曲家が⼀堂に会する、サウンドトラックが主役の劇伴⾳楽フェス『京伴祭 -KYOTO SOUNDTRACK FESTIVAL- 2024』に⼩畑貴裕さんがゲスト出演します。
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