韓国の国政選挙で、権力を競い合う表社会の政治闘争と、莫大な金を巡り、命まで奪い合う裏社会の死闘が交錯するダーティ・クライムな作品です。
1992年、韓国第2の都会・釜山。国会議員を志すヘウン(チョ・ジヌン)は、党の公認候補を確約され選挙の出馬を決意する。しかし、生粋の釜山生まれで熱血漢のヘウンの真っ直ぐな態度を危険視した影の実力者・スンテ(イ・ソンミン)が、勝手に自分の言いなりになるソウル大学出の男を公認候補に替える暴挙に出る。その裏には、釜山開発の莫大な富を得る計画の頓挫を恐れていたのだ。面子を潰され激怒したヘウンは、スンテが富と権力を意のままにするために作成した【対外秘】の極秘文書を手に入れスンテの政治生命を潰す計画を図っていく。党公認候補を外され選挙資金の無いヘウンは、無所属で出馬する決心をして、釜山のヤクザ組織のボス・ピルド(キム・ムヨル)から高利の資金を借り選挙活動をしていく。地元のホープとして選挙運動するヘウン。地元の人々から絶大な人気を集めるが、かつて胸に抱いた清廉な志の面影が消えたヘウンの姿がそこにあった。
清廉潔白な志の高い候補者・ヘウンが堕ちていく姿を描く、イ・ウォンテ監督のこの作品は、善悪を突き抜ける、容赦のない権力闘争のダーティなブラックホール的世界にのめり込みながら堕ちていく人々を描いていく。二転三転しながら壮絶な権力争いの果てにある結末に驚愕するでしょう!!
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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