原作マンガ家・中村光の番外編を、福田雄一監督が実写化した作品です。

世紀末を無事に乗り越えた聖なるイエス（松山ケンイチ）とブッダ（染谷将太）。穏やかな国・日本に降臨して、東京・立川にある風呂なし六畳一間のアパートで暮らし、日本の四季折々の風景を楽しみながら暮らしていた。年末恒例の福引をしたり、素人の漫才大会で「パンチとロン毛」コンビとしてサム～イ・ギャグおを連発させたり、聖なる者らしからぬゆる～い生活を楽しんでいる。そんな何も起きない平穏な暮らしを邪魔するように、天界から梵天（賀来賢人）・帝釈天（勝地涼）・ミカエル（岩田剛典）が弁財天（白石麻衣）を連れゴッドからのオファーを届けてきた。それは聖なるものの敵・悪魔軍団が地球を狙っているので、イエスとブッダが戦ってくれ！という指令だった。平和な生活を望み、聖なるものとなったイエスとブッダにとって、暴力などの指令は無茶ブリな要求だった。だが人のいいイエスとブッダは、弁財天のオイロケとおだてに乗せられ悪魔軍団と戦うリハーサルをすることを承知する。リハーサルのシナリオを描くのは、十一面観音（仲野太賀）とヨハネ（神木隆之介）の変なコンビと変なストーリー。適役はネットが売れずにクサっていたマーラ（窪田正孝）にオファーする。そんなハチャメチャな内容のリハーサルに余計な口出しをしてくるゴッド（佐藤二朗）。果たして、この心細いスタッフで地球は救えるか？？

超ナンセンスな内容で展開するこの作品は、口アングリの日とも多いだろう！だが気を取り直して見たら、意外と面白いのだ。それぞれの役柄が計算された俳優の超オーバーアクションの演技をしていて、それを受け入れると笑えてくるのだ。その典型の演技が、ゴッド演じる佐藤二朗の怪演だ！アドリブを入れ、筋に関係なく喋り捲るシーンなど笑ってしまうのだ。福田雄一監督のナンセンスに徹した演出に『好き・嫌い』がはっきり分かれると思うが、ぼくはいつの間にか笑ってしまったのだ。年越しに、こんなバカげた作品もいいと思う作品でした。

ぼくのチケット代は、２２００円出してもいい作品でした。

星印は、２ッ半さしあげます。