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サンセット・サンライズ

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   2025/01/21

衛藤賢史のシネマ教室

岸善幸監督が、同じ東北出身の脚本家・宮藤官九郎とタッグを組み、楡周平の同名小説を映画化した作品です。新型コロナウイルス蔓延最中の東北の田舎で住む事を決めた、釣り好きの若いサラリーマンの生活をユーモアたっぷりと描く内容となっているのです。

日本、いや世界中が震え上がった新型コロナウイルスの恐怖下の2020年。東京の若きエリートサラリーマン西尾晋作(菅田将暉)は、東北の南三陸の片田舎の町の“お試し移住”の格安の値段につられて、一年間の移住を決める。じつはこの制度は、コロナ前過疎対策として町役場職員・関野百香(井上真央)のアイデアで、パソコン上で勧誘されていた。そうゆうこととは知らず、会社のリモートワークをきっかけに、釣り三昧の生活をしようと晋作が引っ越ししてきたのだ。ロックダウンでよそ者を拒否する地元住民たち。特に腫物に触るように訳アリの36歳の独身女性の百香に接するケン(竹原ピストル)などの“モモちゃんの幸せを祈る会”のメンバーは、百香の別宅<この家は祈る会のメンバーたちにとって大事な場所だった>に住むよそ者の晋作のことが気になって仕方ない。東京に比べ地方の方が厳しいロックダウンをしている状況下で、晋作は一癖も二癖もある住民たちの距離感ゼロのまなざしに、身を縮めて釣りをしていた。宮城県の方言なども親しみはじめる晋作の、ポジティブな性格と明るい行動力で次第に祈る会のメンバーたちに溶け込んでいくが、百香への淡い慕情が・・・。

思い返せばたった4~5年前の事なのに、コロナに罹った家庭は悪いことをしたかのように家族全員が家に引きこもる【特に田舎ほど強い】出来事など!<大分県でも他県のナンバーのある車に帰れコールを書き込んだりしていました>、地域の結束の強い東北の南三陸の片田舎の堅い人々を舞台にコミカルに描くこの作品は、東北コンビ≪監督・脚本≫の郷土愛が満載されながら、東北弁が楽しい笑いの絶えない内容となっているのです!!【東日本大震災も内包されています】。中村雅俊≪オヤジ≫と井上真央≪百香≫の二人が、ディスタンス(懐かしい言葉)を取りながら菅田将暉≪晋作≫にコソコソと食事を運ぶシーンなどの楽しさなど、コロナ全盛期を体験した日本人は身につまされ笑えます。

ぼくのチケット代は、2500円出してもいい作品でした。

星印は、4ッ半さしあげます。

5点満点中4.5点 2500円

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