頭脳で勝負しているCIA職員が、テロで殺された妻の復讐に乗り出すサスペンス映画です。
アメリカのCIA本部で分析官として勤務しているチャーリー・ヘラー(ラミ・マレック)は、内部局員で戦闘や暗殺については【アマチュア】の男だった。日がな一日を特別の部屋でパソコンを駆使して情報を探っていた。そんなある日、愛する妻が仕事でロンドンに出張した。ロンドンからの土産を待つチャーリーに、ロンドンの無差別テロ事件に巻き込まれた妻の死亡が知らされる。それまで他人事と思っていた無差別テロで、愛する妻を失ったチャーリーはテロリストへの復讐を決意する。CIA内部に特設されている特殊任務の訓練を受けるが、教官のヘンダーソン大佐(ローレンス・フィッシュバーン)は『あきらめろ、お前に人は殺せない』と突き放す。が、『僕には僕の“やり方”がある』と復讐の決意をする。組織の協力も得られない中でチャーリーは、得意のデジタル技術を駆使して、妻を殺しヨーロッパに散らばるテロリストのリストアップをして単独でヨーロッパに行く。そして、チャーリーならではのデジタル技術を使い、デジタル上で知り合う謎の情報員(レイチェル・ブロズナハン)と協力して、ヨーロッパ各地に散らばるテロリストたちを始末していく。だが、その裏には驚くべき陰謀が隠されていた・・・。
“殺し”の【アマチュア】の主人公が、自分の得意とする【デジタル技術】を駆使して、愛する妻を殺したテロリストたちをヨーロッパ中を駆け巡り復讐を遂げていく!という斬新な主人公の活躍を描くこの作品は、腕力でない頭脳戦での戦いを挑む、新しいタイプの主人公を創作させた記念碑的映画となるでしょう。デジタル社会に登場するニュータイプの主人公となっているのです。ヨーロッパ各地のロケーションもスケール感があり、テンポのいい作品に仕上がっているのです。ただし、細部の描写が少し荒いのが気になりました。
僕のチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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