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スーパーマン

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   2025/07/22

衛藤賢史のシネマ教室

アメリカ国民のヒーローで映画化されるたびにヒットした『スーパーマン』の最新作です。

普段は人の好い大手新聞記者として『デイリー・プラネット社』に勤め、クラーク・ケント(デビッド・コレンスウェット)と名乗り、【スーパーマン】であることを隠している。アメリカのピンチには【スーパーマン】としてお馴染みの服を着て現れ、超人的な力を発揮して人々を救う姿に、アメリカ国民の誰もが憧れる存在だった。だが、時には国境を越えての活躍はやりすぎだと、アメリカ国内で問題視されるようになる。新聞社の同僚で恋人の、唯一ケントの正体を知るレイン(レイチェル・ブロズナハン)からも非難する言葉を聞き、ケントは【スーパーマン】として<世界の人々を救う>という至上の使命に心が揺らぎ悩んでいる。一方、【スーパーマン】を世界にとって脅威とみなす、天才学者で大富豪のルーサー(ニコラス・ホルト)は、【スーパーマン】と対峙する超巨大な生物【KAIJU】を発明して世論を操作し、【スーパーマン】が異星人であると非難して、アメリカ国民の心が離れるように、ルーサーが作った疑似宇宙で【スーパーマン】が圧倒的不利な条件に持ち込み【KAIJU】と戦わせ、【スーパーマン】を苦しめる。幾重にも罠がかけられた疑似宇宙の戦いで傷つきボロボロになった心と体で、慈しんでくれた地球の育ての親への思いや<世界の人々を救う>心で【スーパーマン】は、ルーサーが考案した卑怯な戦いに挑んでいくが・・・。

初期の単純なヒーロー作品が、シリーズが続く内に、アメリカ国内の複雑な情勢の変化で、アメコミヒーローの内容の複雑化が進むハリウッド映画を象徴させる作品である。【スーパーマン】の出自を複雑化して、自分の出自を悩み乱れる心の葛藤と、特殊撮影の進化で桁違いの破天荒なアクションシーンの、両方を見せるアメコミヒーローの行き着く果てを考えさせる作品でした。もう何も考えずにハッピーエンドを楽しんだ、よき古き楽しいハリウッド娯楽映画の演出のうまさに酔いながら映画館を出た昔の自分をなつかしむこの頃です。

ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。

星印は、3ッさしあげます。

5点満点中3点 2100円

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