かわぐちかいじのコミック『沈黙の艦隊』シリーズの映画化第2作です。前作に続き吉野耕平が監督した作品です。
日本政府が極秘に建造した高性能『原子力潜水艦』<やまと>を奪い、核ミサイルを積む<やまと>を独立国【やまと】として建国を世界に宣言した艦長・海江田四郎(大沢たかお)。その卓越した操舵で数々の海戦を潜り抜け、独立国として『国連総会』へ出席するためニューヨークへ針路を取った。海江田四郎をテロリストとするアメリカ大統領ニコラス・ベネットは、<やまと>を上回ると豪語する最新鋭原潜<アレキサンダー>にジョン・ベイツ艦長、<キング>にノーマン・ベイツ艦長の最優秀原潜の兄弟に<やまと>の撃沈を命じた。場所は、アメリカとロシアの国境線であるベーリング海峡だった。ベーリング海峡にさしかかった<やまと>に、最新鋭原潜の<アレキサンダー>と<キング>が挟み撃ちにして<やまと>を撃沈させる作戦だった。流氷が浮かぶ極寒の海で潜水艦同士の激しいバトルの幕が上がる。海江田の操舵の腕を信じる、副長・山中栄治(中村蒼)などの乗組員はこの絶体絶命の危機に直面しながら冷静に立ち向かうのだった。その頃、日本では<やまと>支持を表明する竹上首相(笹野高史)や内閣官房長官・海原(江口洋介)に<やまと>に独自の視点を持つ大滝議員(津田健次郎)と、<やまと>を認めない幹事長・海渡(風吹ジュン)と外務大臣・影山(酒向芳)らの保守派同士の政策の争いでの内閣解散で、国民の支持を問う総選挙が行われた。日本のこれからの世界での位置を、ジャーナリストの目で<やまと>を追う市谷(上戸彩)。複雑に交錯する日本の立ち位置の中で、ベーリング海峡でアメリカ軍とバトルをする海江田四郎は、無事にニューヨークの国連総会に出席できるのか・・・。
ベーリング海峡でのアメリカ軍・最新鋭原潜との壮絶なバトルを、アメリカに負けないほど進化した特殊撮影を駆使して見せてくれるこの作品は、海中の原子力潜水艦同士の激しいバトル・シーンのすごさを堪能できるのだ。主義の賛否は置くとして、エンターテイナー作品としては一級のサスペンス作品となっているのだ!!
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、4ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
©2025 Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.