『このミステリーがすごい!2023年版』で第一位を獲得した、呉勝浩の同名小説を永井聡監督が映画化した作品です。
酔った勢いで自販機を壊して、店員に暴行を働き、逮捕された正体不明の中年男は、警察の取調室の等々力刑事(染谷将太)に自らを【スズキタゴサク】(佐藤二朗)と名乗り、『あなたと気が合う、私は霊感がある』と都内に仕掛けられた【爆弾】の存在を予告する。やがてその言葉通りに都内で爆発が起こり、スズキタゴサクはこの後も一時間置きに3回爆発すると言う。その予告通りに都内で爆発が起こり、警視庁本部から清宮(渡部篤郎)と警察らしからぬボサボサ頭の類家(山田裕貴)が派遣され、等々力に代わりタゴサクを取り調べる。タゴサクを現場で逮捕した交番所勤務の矢吹(坂東龍汰)と婦警の倖田(伊藤紗莉)は、刑事への功名心に駆られタゴサクの周辺を探っていく。取調室では、類家と上司の清宮が、のらりくらりと尋問をかわして、丁寧語で爆弾に関するクイズを出して翻弄するタゴサクとの会話の謎を解こうとしていた。その頃、等々力はタゴサクがホームレスだったのを調べ、世話をしていた石川明日香(夏川結衣)の存在を知る。石川の夫は、等々力の尊敬していた刑事だったが、ある不祥事で警察を辞職していたのだ。なぞは謎を呼び、二転三転しながら都内の爆発が類発していく惨状を、類家のたぐい稀な知能と、等々力・矢吹・倖田の捜査がその結び目を次第に解いていくが・・・。
スズキタゴサクを演じる佐藤二朗の怪演が、この映画を引き立て話を面白くしているのだ!もつれにもつれる展開のこの作品は、見る観客はどこに焦点を当てて見ればいいのか、観客を困惑させる流れがあると思います。スケールのある作品としては、ラストの結末は少し不満を感じる内容となっているのです!
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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