コロナ禍でロックダウンされた小さな町の、選挙戦の小さな諍いから、現職と対立候補のケンカが街中を巻き込むケンカに波及して、町の住人が二分してスッタモンダの争いが激化する風刺劇の作品です。
2020年、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな町エディントン。コロナ禍でロックダウンされたエディントン町内の住民は、マスクの着用が強制され、マスクなどをした事など無い人々は不満を抱えて生活していた。町中でコロナの症状が誰も出て無いド田舎の町なのにマスクを強要され、町で一つしか無いスーパーマーケットの店主で現職の市長テッド(ペドロ・パスカル)は、マスクなしで店に来る客を邪険に追い出している。そんな中、町の保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)は、店内でテッドとマスクの着用をめぐる小競り合いから対立し、突然市長選挙に立候補する。ジョーは、テッドがIT企業誘致で町を発展させようとする企みに反対していたのだ。町でたった2つの役職者の諍いの火は、町中に広がりSNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上する事態となる。そんな中、ジョーの妻ルイーズ(エマ・ストーン)は、心を病み、カルト集団の教祖ヴァーノン(オースティン・バトラー)の扇動動画に心を奪われ、ヴァーノンの怪しげな陰謀論にのめり込んでいる。ジョーとテッドのマスクをめぐる小さな諍いから発生した、疑いと論争が町中を渦巻きながら、暴力が暴力を呼び、批判と陰謀が真実を覆いつくす中で、エディントンの町は破滅の道へと突き進んでいく・・・。
アメリカの分断を、小さな町で表現する風刺と思うが、作劇の方法が荒いので、見る観客の心に響いて来ないのだ!原住民族の土地を奪った白人の反省などを、若者に言わせるシーンなど詰め込み、最後は壮絶な銃撃戦で終了させるシーンは、銃社会へのアメリカへの警鐘を鳴らしているのだろうか?ごった煮した展開の148分の長尺に、身も心も疲れた作品だったの。
ぼくのチケット代は、1800円出してもいい作品でした。
星印は、2ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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