『小学館文庫小説賞』大賞を受賞した長月天音のベストセラー小説を、三木孝浩監督が映画化した作品です。
『亡くなった人の声が聞くことができる』という、不思議な力を持つ清水美空(浜辺美波)は、就職活動に精力的に活動しているが連戦連敗を重ね、落ち込んでいる。芸者あがりの小粋な祖母(夏木マリ)や、やさしい母(永作博美)に慰められながら頑張っている美空は、ある日葬祭場で妊婦の女性から声をかけられる。誰にも見えない若い妊婦と話している美空を見て、彼女の不思議な力に気づいた葬儀プランナーで納棺師の漆原礼二(目黒蓮)に『その能力を活かすべきだ』と、葬祭プランナーの道へと誘われる。だれにも言えない美空の秘密を見抜いた礼二に導かれるように、タッグを組むことになった美空は厳しい礼二の指導に心が折れそうになる。しかし同時に、誰よりも真摯に故人と遺族に寄り添う礼二の姿勢に気づき、出棺の際にやさしく『ほどなく、お別れです』と告げる姿にあこがれを抱くのだった。妊婦の妻を亡くした夫、幼い娘を失った夫婦、別れて暮らす最愛の人を看取れなかった男、それぞれが抱える深い喪失に触れる中で、美空は自分の不思議な力が役に立つ仕事として、最大限に活かされると思う葬儀プランナーを一生の仕事として胸に刻むのだった。そして知る!やさしい家族が美空だけには隠し通そうとする、悲しい過去の出来事から授かった自分の不思議な力の根源や、礼二が真摯に故人や家族に向き合う態度の奥にある、悲しい過去の出来事を知るが・・・。
三木監督は、息をのむような美しい風景描写を詩的に随所に切り取りながら、描いていくテクニックの冴える演出の力を示してくれた作品でした。悲しみへのオーバーな描写は出さずに、見る観客を自然に泣かせる演出力にも好感が持てる作品でした。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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