近年ハリウッドが様々な内容で製作している、近未来SFジャンルのひとつで、若手俳優を起用しアクション系に重きを置く作品である。
最終戦争により、人類の多くを失った100年後のアメリカ。生き残った人々は過去の苦い経験から、新たな社会体制を作り上げていた。それは国家・人種・宗教に捕われる概念を捨てて、性格診断により<勇敢><高潔><平和><無欲><博学>という5つの共同体に分かれて住み、それぞれの共同体の性格に合う職業につき、お互いが協力し合うという体制であった。己を捨て他人を思いやる者たちが集まる<無欲>の家庭に生まれたベアトリスは、性格診断でその5つのどれにも当てはまらない[異端者]であるダイバージェントと認定される。[異端者]となれば人類の脅威の存在として抹殺されることになる。性格診断を担当した<勇敢>所属のトーリの助言でベアトリスは結果を偽って<勇敢>へと加入し、名前をトリスと変えて軍事・警察を担う戦闘集団で激しいサバイバル訓練を受けることになる。その頃、論理的な者の集団で教育・研究を担当する<博学>は、利他主義ゆえに政権を担当する<無欲>のやり方に不満を覚え、明晰な頭脳集である自分たちこそ政権を握るべきだと密かにクーデターを画策していた。
<勇敢>で激しい訓練を受けるベアトリスは<無欲>出身のため戦闘訓練に慣れず、落伍者リストに入る。落伍者になれば籍がなくなる。トリスは教官・フォーの特訓を受けながら次第に戦闘訓練のランクを上げていく。
しかし<博学>はトリスの[異端者]性格への疑いを持つ出来事を知り、トリスを監視しはじめる。
さらに<博学>による<勇敢>への介入、<無欲>への襲撃によりトリスの能力は覚醒していこうとするのだが・・・。
5つの共同体のつながりなどの知りたい情報が割合ぞんざいなので、多少頭が混乱してしまうが、要はベアトリスが<勇敢>で激しい戦闘訓練のサバイバル競争を生き残る過程をアクション的要素を濃厚に出しながら展開する作品となっているのだ。
だからあまりむつかしく考えないで、ひとりの少女がたくましく成長する物語と思って見ることをお勧めする作品である。
ぼくのチケット代は、1,800円ぐらいかなと思う作品です。
星印は、2つ半を差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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