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ピッチ・パーフェクト

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   2015/06/02

衛藤賢史のシネマ教室

大学の女性アカペラ・サークルが全米選手権の優勝を狙って、てんやわんやの大騒動をくり広げながら頑張っていく姿を描いたこの青春音楽コメディは、少々荒っぽいストーリー構成となっているが、勢いで突っ走る楽しい作品となっている。
バーデン大学の女性アカペラ・グループ「バーデン・ベラーズ」は、全米大学アラペラ選手権に出場を果たしたものの、ソロ担当のオーブリーが緊張しすぎて舞台でゲロを吐いてしまうという失態であえなく落選してしまう。優勝したのは同じバーデン大学の男性グループ「トレブルメーカーズ」、いつも「ベラーズ」をバカにしている連中だ。
4か月後、新学期を迎えベッカが入学してきた。ベッカはバーデン大学の教授をしている父親に説得されて進学してきたが、夢は音楽プロデューサーになることで大学に行くよりもNYに出ていきたかった一匹狼の女の子。そんなベッカがひょんなことから「ベラーズ」のクロエと知り合い入部してしまう。新結成されたグループのメンバーは強烈な個性の持ち主ばかり。新リーダーのオーブリーは昨年の汚名を晴らそうと躍起になって指導するがなかかか上手くいかない状態。なかでもベッカとは事毎に衝突してしまうのだが、それは奔放になれないオーブリーが先輩たちの伝統的手法を順守しようとする姿勢のアカペラに対して、ベッカの音楽センスが受け付けないためだった。
それでも地区予選で、またもや「トレブルメーカーズ」の後塵を拝したものの、何とか2位に入り、地区大会の出場権を獲得した「ベラーズ」だったが、オーブリーの選曲や振付けは十年一日のごとく同じものでグループには、不協和音が流れはじめる。
しかもソロを担当するクロエに喉の不調が起こり地区大会で、観客が「ベラーズ」のアカペラに退屈しはじめるのを察知したベッカが咄嗟のアドリブで盛り上げようとしたものの3位におわり決勝進出の機会を失うのだったが…。
青春、友情、恋そしてアカペラ。大学生たちの明日に向かっての夢や希望を満載したこの青春音楽コメディは、若者たちのアレンジによるダイナミックなアカペラのパフォーマンス・シーンは大変楽しく見られるのだが、ストーリー構成がかなり荒っぽい作りになるものの、元気のいい作品とはなっている。
ぼくのチケット代は、1,900円を出してもいい作品でした。
星印は2つ半差し上げます。

5点満点中2.5点 1900円

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