1月31日も「No Stage No Life!」をお聴きいただきありがとうございます
*まずは、お詫びをいたします。
放送中、俳優「山崎育三郎(やまざきいくさぶろう)」さんのことを数回、
「やましたいくさぶろう」と誤った呼び方をしてしまいました。
お詫びし訂正させていただきます。
今回は、2019年トニー賞ミュージカル部門最優秀脚本賞、主演男優賞受賞など11部門にノミネートされた最新ブロードウェイ・ミュージカル「トッツイー」の話題を中心にお届けしました。
映画も大人気でしたので、映画を観たことがあるという方も多い作品かもしれません。
ストーリーは単純明快なコメディ作品です。
売れない中年男優が知恵を巡らせて女装したところ、一躍大人気スターになってしまうというアメリカン・ジョークたっぷりの大ヒット映画が、時と場所を現代のブロードウェイの舞台に置き換え、装いもあらたにミュージカル・コメディとして生まれ変わり、瞬く間に話題沸騰した作品です。
今回、日本初上陸し、主演を山崎育三郎さん、相手役に愛希れいかさん、おばたのお兄さんやエハラマサヒロさん、テレビでも人気のキムラ緑子さんや羽場裕一さんと、多彩な顔触れがそろったコメディ作品です。
日生劇場外観
見どころの大きな一つは、中年男性のいでたちから、女優役への早替わりです。
1分に満たないスピードで、ドレスに着替え、メイク、ウイッグ、ネイルを変え、
ハイヒールを履いて登場します。
ドレスの下には女性らしいシルエットになるように、お尻や太ももの部分には詰め物もしているそうです。
歌声もしっかりと女性の音域まで出されています。インタビューで、山崎育三郎さんはオーディションでこの役が決定してから、女性音域の声を出す特訓を徹底的に行ったと語られていました。
女性の姿が本当にきれいで、真っ直ぐに演劇に打ち込む姿が美しかったです。
山崎育三郎さん等身大のパネル
テレビドラマに多くご出演されているキムラ緑子さんの、キレキレのダンスシーンも見どころですし、アメリカン・ジョークをどのように変容させたら、日本でも通用する「笑い」になるかという演出部分には、エハラマサヒロさん、おばたのお兄さんも意見を多く出され採用されているとのことでした。
「何歳になっても人は変われる。」という大きなメッセージが笑いの中からしっかりと伝わってくる作品です。
日生劇場の名物、その演目の主役の衣装をまとうリスちゃん
また、私の独特な舞台鑑賞法の一つかもしれませんが、今回のコンダクター塩田明弘さんと率いるオケメンバーも見どころです!(聴きどころでもありますが…)
ミュージカルは基本的には生のオーケストラが演奏します。
塩田明弘さんは、日本有数のミュージカルにおける音楽監督であり指揮者です。
私も大ファンで、「塩田さんが指揮をするならこのミュージカルは観ておこう!」と思うような、存在の方です。
今回、私は2階席中央の2列目に座って観劇していたので、オケピの中の様子も塩田さんの様子もしっかり見ることができたのですが、塩田さんがとっても可愛いかったのです。
まさしく、歌って踊るコンダクターでした。
例えば、演者がピョンピョン跳ねながら歌うシーンでは、塩田さんもピョンピョン跳ね、
みんなで手で×を作って「ダメー」と声をそろえるシーンでは、塩田さんも×を作り腕を振り上げてるんです。
ソロ歌唱は、最後をロングトーンで締める歌が多いのですが、この時の塩田さんは更に特長的で、歌唱者の伸びに合わせてその指というか腕を高く高くつきだし、行き来ったところで拳を何度も突き上げ、ガッツポーズを歌唱者に送ります。
私が初めて、この動作をする塩田さんを観たのはもう数年も前のことですが、なんて愛のある指揮者だろうと感じ入った記憶が鮮明に残っています。
一人では出し得ない神がかったパワーを本番で発揮できるのは、観客の力もあるし、その根底にはカンパニー全員が一つの方向を向いて、支え合っているからこそだと思います。
「味方は絶対的な味方であり、それをしっかりと伝える力を持つ」ということを塩田さんの姿を持って学ぶことができます。
2回客席からの舞台の見え方
私もチーム全体をまとめる立場になることが多いので、チームにとって塩田さんのような存在になれるよう、いつも心掛けています。
お届けした曲
「モーツアルト」から、「僕こそ音楽」
歌:山崎育三郎
次回の放送は、2月1日(水)10:10頃からの予定です。
ステージナビゲーター★飯田裕美
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