「No Stage No Life!」ステージナビゲーター★飯田裕美です。
8 月12日の放送もお聴きくださり、ありがとうございました!
お盆休みをいかがお過ごしでしょうか。
今回は、先日8月7日に東京ガーデンシアターにてついに開幕した、
日本ミュージカル界初のアリーナツアー『New HISTORY COMING ARENA LIVE -The Imperial Theatre Symphony-』(通称「帝コン」)の熱すぎる現地レポートをお届けしました。
私、飯田は8月9日の公演を観劇してまいりましたが、今も興奮が冷めやらない状態です!
●ステージに息づく、愛おしい「本物の帝劇」
会場に足を踏み入れてまず驚かされたのが、あまりにもドラマチックな舞台セットでした。
ステージ中央には、建て替えのため一時休館に入った帝国劇場のビルの角に実際に付いていた、あの本物の「帝」「国」「劇」「場」という大きな電照看板がドーンと飾られていたのです。
なんと、この看板は1文字あたり80キログラムもあるそうです。
さらにそれだけではありません。ステージ上には、『ダンス オブ ヴァンパイア』や『RENT』で実際に使われた階段セットや、帝劇のロビーに置かれていた椅子、『Endless SHOCK』の楽屋ロッカーなど、帝劇の歴史を彩ってきた本物の舞台美術や小道具たちが、まるで記憶の欠片のようにあちこちに散りばめられていました。
パッと見は少し「廃墟」のような不思議でノスタルジックな美しさもありながら、私たち演劇ファンがこれまで何度も見つめ続けてきた愛おしいものたちが新しい形でそこにある光景は、たまらなく懐かしく、胸が震えるものでした。

東京ガーデンシアター入口
●圧巻の2大作品ダイジェストと、客席で起きた「文化交流」
今回のコンサートのホストを務めるのは、2000年に初めて帝劇の舞台に立ち、21世紀の帝劇を力強く牽引してきた堂本光一さんと井上芳雄さんのお二人です。
お二人は全体の構成や企画にも携わっていらっしゃいます。 ステージでは、演出家からの「お二人にとって帝劇の象徴となる作品は?」という問いから生まれた、帝劇を代表する2大メガヒット作『エリザベート』と『Endless SHOCK』のスペシャルダイジェストが、それぞれ15分ずつ、怒涛の勢いで披露されました!
本役を務めたキャストによる素晴らしい歌唱はもちろん、今回初めてその役を歌うキャストの皆さんも、まるで自分の持ち歌であるかのように完璧に消化して披露する姿は、まさに一流のミュージカル俳優の凄みそのものでした。
そして、アリーナという巨大な空間だからこそ体験できたのが、公式グッズ「帝ペンライト」をめぐる面白い出来事です。 14色に変化するこのペンライトの操作に、私をはじめミュージカルファンが少し手こずる中、堂本光一さんのファンの方々はさすがの手際で、客席を一瞬にして光一さんカラーである美しい「赤」一色に染め上げてみせました。
さらに、前後のお客様が「光一さん以外の人ってみんな立ったまま歌うんだね。歌いながら激しく踊りまくっているのは光一さんだけなんだ!」と新鮮な驚きを口にされているのが聞こえてきました。
確かに、ミュージカル作品ではここぞという「決め歌」の場面では歌に集中することが多く、一方で光一さんは歌いながら全身で踊る「ショー」の華やかさが真骨頂です。
アリーナという特別な空間が生み出した、この思いがけない「ファン同士の文化交流」は、本当に素敵な瞬間でした。

コンサートプログラムと帝ペンライト
●魂を揺さぶられた「ルーツメドレー」と、奇跡の「対決」
出演キャストの皆さんのルーツとなった曲を歌い繋ぐ「ルーツメドレー」も感動の連続でした。
平原綾香さんの「Jupiter」や佐藤隆紀さんの「オー・ソレ・ミオ」、ソニンさんは懐かしの「カレーライスの女」を披露してくださったのですが、なんと手には帝劇の廃材で作られた特製ギター、そして帝劇の食堂で実際に使われていたスプーンを持って歌うという、心憎いまでのこだわり演出でした!
そして、この日のパフォーマンスの中で個人的に最も胸が熱くなったのが、石丸幹二さんです。
石丸さんは、ご自身のデビュー作である劇団四季『オペラ座の怪人』から、本来は大人数で歌い繋いでいく難曲「マスカレード」を、なんとたった一人で、当時の振り付け付きで歌い上げてくださいました。
その華やかなジャケットの襟元には、オペラ座を象徴する「シャンデリア」のブローチが美しく輝いていました。
このコーナーのオープニングテーマでもある大好きな曲を、そんな特別な姿で、圧倒的な実力で歌いきる姿を目の当たりにし、私は客席で思わず大泣きしてしまいました。
さらに、今回は帝劇で上演されていない名作『ジキル&ハイド』から、善と悪の人格が激しくぶつかり合う緊迫の名曲「対決」が披露されました。
本来は1人で二つの人格を歌い分けるこの見せ場の曲を、なんと歴代の本役である石丸幹二さんと佐藤隆紀さんのお二人が、ジキル(石丸さん)とハイド(佐藤さん)というスペシャルなデュエットバージョンで歌い上げたのです!広いアリーナが一瞬にして、重厚な日生劇場の空気に早変わりしたかのような、息を呑む大迫力のステージでした。
●「ミスター帝劇」市村正親さんが語った、劇場の「命」
そして、9 日公演のスペシャルゲストとして登場されたのが、「ミスター帝劇」こと市村正親さんです!
『ミス・サイゴン』の「アメリカン・ドリーム」や、『ラ・カージュ・オ・フォール』の「ありのままの私」、さらにシークレットゲストの京本大我さんとの『モーツァルト!』から「僕こそ音楽」と、帝劇にゆかりの深いナンバーを次々と歌い上げ、会場の空気をご自身の世界観で一瞬にして支配する圧倒的なオーラは、まさに段違いでした。
トークの中で、市村さんは「あなたにとって帝劇とは?」という問いに対し、一言、「命」と答えられました。
そして、「先輩方からの祈りを受け継いでいかなくてはいけない」と力強く語られたその言葉の深さと重みに、その場にいたキャストも観客も、誰もが深く胸を打たれ、心が激しく震えるのを感じました。
●すべてのカンパニーへの感謝、そして未来へ
この歴史的なアリーナツアーのステージを見さにまとめ上げ、最高の MC で引っ張ってくださったホストの堂本光一さんと井上芳雄さんのお二人には、本当に感謝しかありません。
そして、あの広大な世界観を圧倒的な歌声とパフォーマンス、生演奏で支え、創り上げてくださった19名のシンガーズ&ダンサーズの皆さん、30名もの素晴らしいオーケストラの皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。
帝劇の再開は2030年と言われていますが、建て替えを迎えるまでの間、こうして過去・現在・未来の帝劇に想いを馳せ、皆さまと一緒に感動を分かち合える素敵なコンサートが、これからも続いていってくれたら本当に嬉しいですね。
♪今日の一曲
井上芳雄さん「明日への階段」 (ミュージカル『ルドルフ・ザ・ラストキス』より)
今回のステージで、井上芳雄さんがソロで披露してくださった一曲です。
シンガーズの皆さまとの力強く、そしてどこまでも美しいハーモニーがアリーナ全体を優しく包み込み、未来への希望とエネルギーに満ちあふれた、深く心に残る感動のナンバーをお届けしました。
この感動と興奮のバトンは、まだまだ全国へと繋がっていきます!
9 月5日・6日には、大分からも行きやすい小倉の「北九州メッセ」にて、吉原光夫さんをゲストに迎えた九州公演が控えています!
歴史的な瞬間を体感できるこの特別なステージを、ぜひ皆さまも生で、その目で体感してください!
次回の「No Stage No Life!」は、8月19日(水)10時10分〜の放送です。
どうぞお楽しみに
ステージナビゲーター★飯田裕美

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