ジョン・レノンの名曲「Happy Xmas<War is Over>」を元に秦建日子が執筆した小説「サイレント・トーキョーAnd so this Xmas」の映画化作品です。
クリスマス・イブの日。東京・恵比寿の繁華街に爆弾を仕掛けたとTV局に電話が入った。どうせガセネタと思いながら出向いたTV局員が巧妙な罠にかけられ、買い物に来た主婦・山口アイコ(石田ゆり子)と共に実行犯へと仕立てられる。犯人側の要求は、強い日本を標榜する新首相と対談させる事。「テロには屈しない」と突っぱねる政府側に、次の犯行予告が動画サイトに載る。それは<次の標的は渋谷ハチ公前>というものだった。動画を見た人々が興味本位で続々ハチ公前に集結しはじめた。捜査する渋谷署刑事・世田(西島秀俊)は、不可解な行動をとるIT企業家・須永(中村倫也)をマークする。それらの動きをじっと観察する謎の男(佐藤浩市)の冷徹な目。恵比寿での人々には被害を及ばせなかった小爆発に、クリスマス・イブの余興だと勘違いした大群衆が集結したハチ公前は、警視庁の厳重警戒網が敷かれているものの、イブで浮かれきった人々は警官の制止も聞かずお祭り気分の有様。そして、謎の犯人が予告した時間をわいわいしながら浮かれた大群衆がカウントダウンするのを、マスメディアが実況する前で…。犯人は、なぜ、このようなテロ行為を仕組んだのか?世田たちがマークした須永の不可解な行動の裏は?謎の男は何者なのか?そして、複雑に考錯する動きの糸が一点に集結する時…。
描写するスケール感は評価するが、いかに錯綜する登場人物のキャラクター設定があまりにも甘く、また説明不足が多々あるのでついていけないシーンが散見する作品となっていたのだ。意気込みが先行し内容的に空転してしまった!と言っていい作品となっていたと思う。
ぼくのチケット代は、2000円出してもいい作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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