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ニューヨーク 親切なロシア料理店

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   2020/12/22

衛藤賢史のシネマ教室

デンマークを代表する女性監督、ロネ・シェルフィグによる、見終えた後に気持ちがホッコリするハート・フルな作品です。

ニューヨーク・マンハッタンにある老舗のロシア料理店<ウィンター・パレス>は、オーナーのティモファイ(ビル・ナイ)のやる気のない(でも人柄はよくインテリジェンスのある人物)経営で往年の面影もないレストランになっていた。その店の常連である弁護士ジョンが、刑務所を出たばかりのマーク(タハール・ラムヒ)を店を立て直すマネージャーとして推薦してくる所からこの物語ははじまる。ジョンと同様に店の常連である看護師アリスは、世間からあぶれた弱者のためにだけ尽くす女性。そして、やる事なす事すべてトンチンカンでドジな若者ジェフは、どんな仕事についても失敗し失業ばかりしていたが、クララの世話でこの店で働くことになる。そんなこんなのこのロシア料理店に、ふたりの息子を連れたクララ(ゾーイ・カザン)が関わってくる。クララは警官である夫の息子への虐待に気づき無一文のまま見知らぬ街ニューヨークへ逃げてきたのだ。寒いニューヨークの街をさ迷いながら、このロシア料理店にたどり着くことになる。そこで出会ったマークやジョンそしてアリスやジェフの、夫とはまったく違う弱者へのやさしい心づかいに満ちた人柄に魅かれていくのだが…。

登場人物たちの行動を少しずつ切り取るように紹介する描写で、これからの流れが見えない輪郭線がぼやけたような展開に「ん?」と思いながら見ていく内に、その流れは錯綜しつつすべて[ロシア料理店]へと一本の直線に結びつくハートフルなラストとなっていくのだ!見終えた後、バラバラにされたジグソーパズルの最後のピースがきっちり嵌まったような感覚におそわれるナイスなハートフル作品となっているのです!

ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。

星印は、4ッさしあげます。

5点満点中4点 2300円

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