明けましておめでとうございます!
昨年は<常識>が<非常識>で、<非常識>が<常識>という、人間世界の概念がひっくり返る1年間となりました。映画界もその波を受け、惨憺たる状況に陥る悔しい年でした。日本中の映画館がクラスターを一件も発生させてないにも関わらずです!早く<常識>の世界がもどり、何も気にせず映画を楽しむ生活に戻れることを心から祈ります。
という事で、年明け最初の作品は楽しくいこうぜと、「有りかぁ~!」とわめきたくなること請合いの香港カンフー・コメディです。監督は「るろうに剣心」でアクション監督をつとめた谷垣健治が香港に乗り込んで監督し、主演は香港のアクション俳優ドニー・イェンが太っちょな刑事を演じています。
結婚式当日に逃げる銀行強盗を追跡し、警察長官を轢きそうな失態を犯した熱血刑事ファーロン(ドニー・イェン)は窓際族に左遷されたうえに、結婚相手で冴えない女優ソーイ(テレサ・モウ)から別れを切り出され、ヤケクソになり、暴飲暴食の結果120キロを超すデブになってしまう。そんなファーロンに強盗事件の容疑者の日本人を日本まで連行する任務が命令された。同じ飛行機で日本の仕事を得たソーイに出くわしてビックリ。日本に着いたファーロンに日本人の刑事(竹中直人)が付き添うが、どうもヤクザとつるんでいる悪徳刑事らしいのだ。そのヤクザに容疑者が拉致されてしまう。裏で麻薬の取引きに関係していたのだ。ソーイを招いた業者もその仲間だった。拉致された容疑者を追う内にファーロンはヤクザの麻薬抗争に巻き込まれる。そしてカンフーの達人であるファーロンは、大車輪でヤクザたちと戦いはじめる…。
とにかくドニー・イェンの激太りの躰でのカンフー・アクションぶりを見せる内容に重きを置く内容なので筋立ては関係ないのだ。笑わせながらデブッチョのドニー・イェンの見事な体技を徹底的に楽しむハッチャカメッチャカな内容を谷垣監督が確信犯的に描く作品なのです。コロナ疲れした脳味噌に活力を与えてくれる、こんな作品もあっていいだろう!
ぼくのチケット代は、1800円出してもいい作品でした。
星印は、2ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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