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心の傷を癒すということ

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   2021/02/16

衛藤賢史のシネマ教室

精神科医の安克昌さんが1995年の阪神・淡路大震災時、自ら被災しながら<心のケア>で被災現地の住人を訊ね歩いた記録を綴った著書「心の傷を癒すということ/神戸…365日」(第18回サントリー学芸賞受賞)を原案にしたNHKドラマを映画用に再編集した作品です。

何不自由ない家庭に生まれた和隆(柄本佑)は、小学校低学年の時に兄から自分の家庭が在日韓国人であることを教えられ、自分のアイデンティティーを模索するようになる。親友の石田(濱田岳)は医者の息子で医学部への進学を目指しているのを知り、人の心に関心を持ち始めた和隆も精神科医になろうと決心し、父親の猛反対を押し切って医学部に進学する。そこで著名な精神医学者であり文学者である教授(近藤正臣)に師事しPTSD<心的外傷後ストレス障害>の研究をしていく。そんな頃、映画館で聡明な女性の終子(尾野真千子)と運命の出会いをし結婚する。平穏で温かい家庭生活をしながら病院の精神科医師のチーフとして現場で働きながらPTSDの研究をしていた和隆は、第一子が誕生した1995年に大震災が神戸の街を襲う。終子たちを実家の大阪に避難させた和隆は大学病院に泊まり込み、日夜をとわずに被災現場を訪れ被災者の<心のケア>治療に取り組みながら、新聞で現場の状況を伝える連載記事を書いていく。その記事が後に一冊の本として出版され受賞され病床の父親をよろこばせる。そして5年後、神戸の街は徐々に復興しはじめた頃、新しい精神医療の研究に没頭する和隆の躰に異変が起こった!病院の同僚の検査の結果、極めて悪質のガンが和隆の躰の内部に巣くっているのが判明したのだ…。

2000年12月、39歳の若さでこの世を去った精神科医・安克昌さんの生涯を描いたこの作品は、自分の出から人間の心の有り様を探る精神科医となり、神戸での大地震被災者への心のケアに努める様を中心に描いていくものとなっています。内容はナイーブで心が洗われるものになってはいるのだが、TVドラマを映画用に編集している作品なので淡々と安氏の生涯をなぞるだけに終始していく描写となり、映画として見るには隔靴掻痒の感があるのが若干の不満として残るのは否めなかったのだ!

ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。

星印は、3ッさしあげたい作品でした。

5点満点中3点 2100円

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