ショーン・コネリーが演じ!代々の007役に伝統的に継承されたJ・ボンドのキャラを一新させた!ダニエル・グレイグの硬派007シリーズの最終シリーズです。
J・ボンドは現役を引退して、ジャマイカで恋人のマドレーヌ(レア・セドゥー)と穏やかな生活を送っていた。そんな平穏な生活は、誘拐されたロシアの科学者を救出する任務にてこずるCIAの旧友が助けを求めてきた事で一変してしまう。世界中に闇のネットワークを築き、致死率の高い細菌戦を目論むサフィン(ラミ・マレック)が元凶で、細菌に精通した科学者を誘拐したのだ。なぜか?サフィンはマドレーヌも狙っており、ボンドはマドレーヌを守るため別れて、科学者が連れていかれたキューバで現地の新米女性情報部員パロマ(アナ・デ・アルマス)らと救出作戦する。引退したはずなのにCIAと協力するボンドに不信感を抱いた英国諜報部長Mは、新たに007に任命した女性部員ノーミ(ラシャーナ・リンチ)をキューバに派遣する。だが、誤解が解けたMは再びボンドを現職に戻してサフィンの行方を探らせる。ダブルとなった007は、サフィンがロシアと日本の境界線にある北方の島に基地を築き人類滅亡の計画を練っている事を探り当て、秘密兵器担当主任・Q(ベン・ウィショー)の水空兼用のグライダーで島に潜み込む。だが、そこにはマドレーヌと幼い娘が人質として拉致されていた。絶体絶命の状況下で、J・ボンドは究極の選択を迫られる。そして!J・ボンドが選択した手段とは…。
例によってQの秘密兵器を満載する車やバイクなどのド派手なカーチェイスを織り混ぜつつ展開する作品だが、今ひとつ切れのない内容となっているのだ。その原因のひとつは、150分近い長尺なのにドラマの流れを整理しきれてない事にあると思う。整理しないままに描くエピソードの羅列が観客の理解を置き去りとしてドラマを進めつつ、ド派手なカーチェイスやアクションを満載しても流れが分かりにくいので返って退屈してしまうのだ!さらにボンドの恋愛話が分かりづらいのも原因のひとつなのかもしれません。そしてまた、悪の元凶のサフィンのキャラの描き方が曖昧なのも、ドラマの輪郭をスッキリさせなかった要因となっていたのです!救いは、キューバの新米部員パロマのコミカルな活躍でした!
ぼくのチケット代は、1900円出したい作品でした。
星印は、2ッ半ぐらいかなと思う作品でした。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
©2024 Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.