「96時間」シリーズなどの<怒れる中年男>に扮したB級アクションの主演を楽しむ様子の名優リーアム・ニーソンが、今回は落盤事故で地下に閉じ込められた作業員を救うため、凍った湖のアイス・ロードを命を懸けて走らせる巨大トラックのドライバーに扮したレスキュー・アクション作品となっています。
カナダのダイヤモンド鉱山で爆発事故が発生し、26人の鉱夫が地下に閉じ込められた。現場に充満するガスを抜くため、30トンの救出装置を積んだ巨大トラックで現場まで届ける最短コースは、凍った湖の厚さ80センチのアイス・ロードのみ。ただ、この道は熟練した腕を持つドライバーが必要だった。ある事情から、この危険な作戦に応募したマイク(リーアム・ニーソン)は整備士の弟と、3台で行く巨大トラック(アイス・ロードは危険きわまる道なので、その内1台でも無事に通り抜けたら成功というリスクを分散させる方法なのだ)のドライバーに採用される。それぞれのトラックに救出装置を積んだ3台の巨大トラックは、お互いに距離を取りあって細心の注意をはらって進んでいく。なにしろこのアイス・ロードは、スピードが速すぎれば衝撃で!遅すぎれば巨大トラックと乗せた救出装置の重量に耐えきれずに氷が割れて湖に沈んでしまうのだ!しかも、落盤した地下の酸素は30時間で尽きて全員は助からない、という時間制限の負荷までかかっていた。3台のそれぞれのドライバーは、アイス・ロードをよく知るリーダーの男と、落盤現場に閉じ込められている兄を救いたいインディアン系の妹であり、それぞれの巨大トラックに30トンの救出装置を乗せて命がけでアイス・ロードを走らせていく。しかしドライバーたちは、この落盤事故にはある悪辣な陰謀が隠されていたのは知らなかったのだ、そして・・・。
アイス・ロードでの危険すぎる恐怖感や!陰謀に絡んだマイクの躰を張るアクション!などなど、最初から最後まで手に汗にぎらせるサービス精あふれるノリのいい演出で(ときには、それはないだろうと茶々入れたくなるド派手な脚色を含めて)スカッとする気持ちにさせてくれる作品に仕上がっているのだ!トラックにある人形などの小ネタの使い方も楽しくて、意気のいい作品となっていたのです。
ぼくのチケット代は、2300円出したい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげたい作品でした。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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