まだ、コンピューターが一般的に普及してなかった1999年に封切られた『マトリックス』は、世界的に衝撃を与え大ヒットした作品となった。コンピューターが人間を支配する仮想世界と現実世界の挟間で、主人公のネオがトリニティに導かれて繰り出す華麗なワイヤーアクションに熱狂し、その前衛的作風に魅了されたものだった。そのレジェンドと化した『マトリックス』3部作が20年近くの歳月を経て映画ファンの前に蘇ってきたのだ。
ゲームデザイナーのトーマス/ネオ(キアヌ・リーヴス)は、社長スミス(ジョナサン・グロフ)から新作のゲームソフトの制作を迫られ、そのプレッシャーから逃れるためアナリストから処方される青いカプセルを常用していた。そんなある日、カフェでティファニー/トリニティ(キャリー=アン・モス)という女性に出会って心惹かれながら、奇妙な既視感に覚える。その頃、ビルの清掃員をしながらトーマスを見かけたバッグス(ジェシカ・ヘンウィック)は、それをきっかけに自分がムネモシュネ号の船長である事に覚醒する。そして、バッグスはモーフィアス(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)をモーフィアスであることを覚醒させる。モーフィアスは、トーマスに赤いカプセルを飲ませ自分がネオであると自覚させるのだった。まだマトリックスに支配された世界であることを知ったネオはティファニーをトリニティであることを認識させ、ネオを信じる仲間たちと救世主として、ふたたび困難な戦いを挑んでいくが…。
正直に言うと、前の3作品よりも混沌とした内容に面食らったまま、ストーリーの流れを追いかけるだけでヘトヘトになってしまったのだ!!前作頃より、デジタル技術の圧倒的な発達により、ウォシャウスキー監督の喜々として使用した目くるめくようなCG技術の多様に眩惑されたのか、それとも僕の見方が誤っていたのか(こちらの方が正しいのかも)分からないが、難易度の高い作品であったのだ。
ぼくのチケット代は、1900円ぐらいかと思う作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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